私の担当する山王教室(ターゲット校は白鴎中)ではテストまで一週間となりました。

本日は現段階の仕上がりをチェックする達成度確認テストを実施しています。

この一週間、部活や他の習い事などもありながら、ほぼ全員が平日の3時間と週末の6時間を経て、テストに向けて着実に前進することが出来ています。

当然まだ一週間ありますから、まだまだ仕上げる余地はいくらでもあります。今日のテスト結果を受けて、計画を修正して、それに沿って勉強を進めることでよりよい結果をつかんでいきましょう。

今回は生徒が行った一週間の勉強の内容について私なりにまとめ、報告したいと思います。

1年生

1年生には試験対策が始まる前に勉強について3つの指示をしています。それは「見ながらやらない」、「見てからやる」、「見ずにやる」です。「見る」というのは、参考書・プリント・ノートを調べることを指しています。授業や宿題の取り組み方について、普段から言っていることこの3つの指示ではありますが、実際にその通り取り組んでいるかを今回の試験対策でチェックしています。

知識を身につける上で問題を解くことは必須です。しかし、理解が不十分なまま問題に取り組んでも、それが出来ない問題ばかりだったらモチベーションは下がり、効果もあまりありません。

だからこそ参考書・プリント・ノートを利用して理解を深めるわけですが、それらを見ながら解いても十分な効果は得られません。自分の力で解けたわけではなく、なにかに頼った状態で解いているわけですから。

いわば自転車の補助輪をつけたままの状態で、「もう自転車に一人で乗れるぞ、フフン」と思い込んでいるのと同じな訳です。でもその補助輪を外したらどうなります?きっと転んでしまうでしょう。もちろん本番の前にその補助輪をはずして何度も練習をすれば、実際に一人で自転車に乗れる状態になるはずです。

ただ、「見ながらやる」勉強の悪影響が一つ、根拠のない「出来た感」は自分の力だけで解こうとする機会を奪ってしまうことが多いです。その「出来た感」に支配され、自分の課題に向き合わずにいるとテスト当日になって頭が真っ白になってしまうというのがままあるケースです。

また、その一方で一から十まですべて自分の力だけで問題に取り組もうとしてしまう子もいます。

つまづきながらもある程度順調に問題が解けているのなら、これほど有効な勉強法はありません。ですが、こうしたタイプの子には、その単元についてまったく理解していないのに、自分の力だけでその問題を解こうとしてしまう子もいます。その心意気は買いたいところではありますが、まったく理解していない状態で問題を解いてもやはり効果はありません。

そもそも問題を解くのは、自分の理解度をチェックし、理解した内容がどのような聞かれ方をするのか確認するのが主な目的です。ですから、まったく理解していない状態で解いてもその目的を果たすことができないのです。結果、時間だけを浪費しテスト後に「勉強時間が足りなかった」と悔し紛れの反省を残すのみになってしまいます。

こうした問題点の両面を解決するために、「見てからやる」ことを推奨しています。教科書などで「理解」した後に、その教科書等を遠ざけて「記憶」する機会を作り、その「記憶」した内容を発揮することで「定着」にいたる。こうした課程で強い知識ができあがります。そして最終的に「見ずにや」っても解けたならその内容は完成です。

で、実際に生徒はそれを実行できているかというと、一生懸命こちらの指示を聞いてその通りに取り組んでくれています。こちらがややイジワルに突然ミニチェックテストをしても、きちんとした根拠を説明した上で解答できるほどです。残り期間はより実戦的な問題に移り、負荷を上げていってもらいましょう。

2年生

2年生には1年生にしたアドバイスと共に、日々のチェックを重点的に行っています。

具体的に言えば、小テストを毎回の最初に行っています。そして必ずその答えを出す過程を書くように指示しています。

もともと理解した「つもり」で止まってしまう子が多いこの学年には、不十分な内容を「理解」→「解く」→「チェック」を半ば強制的に繰り返すことで知識の身に付け方を体得してもらおうと考えています。

「理解できるまで、自分の力でできるまで繰り返す」と言うのは簡単ですが、実行するのは難しいことです。特に、自制する力が未熟な中学生に言っただけで出来るようになるとは思いません。

ですから、強制された中で勉強の型を身につけ、その上でその後自分なりのアレンジを加えていけるようになってくれればと思います。

とはいえ、数学があまり得意でない生徒から「あれだけ何回もやったから、一次関数の基本的な問題は簡単にできるようになった」と言われ、実際にひたすら繰り返した問題は確実に得点できています。強制した時間も数字にすれば毎回30~40分程度におさめていますから、短い時間のなかでも繰り返しは効果的であることが実感できたのではないでしょうか。

あとは「テスト前だから」という頑張りを普段の勉強に還元させていくのがテスト後の課題です。まずは残り一週間、地道な繰り返しをもとに結果を残し、それ以降も維持できるよう気を抜かずにいきましょう。

3年生

第三回テストの重要さは痛いほど理解しているでしょう。結果を出そうと勉強しているのはその内容や解いている教科で見て取れます。

中3生の彼らに指示しているのは「可能な限り実戦的な問題を解くこと」、「単元ごとに完成させること」、「問題に対する分析を行うこと」の3点です。

基本的な取り組みについて細かく言うつもりはありません。彼らはこちらが指示したことをアレンジしてこれまでのテストで結果を出してきました。

だからこそ、ここで私に出来るのは解くべき問題とその扱いを確認することぐらいです。

そして今日実施したテストの結果から現在の勉強に対する課題がより具体的に見えてきたと思います。

焦らず急いで一つ一つの課題をつぶし、完成度を高めましょう。

まとめ

試験対策期間に入り、一週間分の内容を総括してみました。そして現在、本日実施した達成度確認テストの答案を採点しているところです。結果は明日にでも返せればと思いますが、テストを終えた段階でこちらが指示するまでもなく自己採点をほとんどの生徒がしていました。その結果に一喜一憂しつつも「明日は数学をやろう」、「帰ったらもう一度テキストをやろう」なんて声が学年関係なく聞こえてきました。テスト一週前になってようやくエンジン全開では遅いのですが、かからないエンジンよりはまともです。今日のテストで見えた課題を可能な限りつぶして残り一週間走りきりましょう。

この記事を書いた人

陌間 和将
山王教室の責任者・国語の教科責任者を担当しています。
日常の授業を通して考える習慣を身につけてもらうべく、様々な仕掛けを凝らして授業をしています。