小田原市では中学3年生の定期テストがいよいよ来週に迫ってきました。
「一般常識系」の記事はひと休みということで、しばらくテスト範囲に指定されている2018年9月から11月前半のニュースについてまとめてみます。

今回は9月のニュースです。問題形式にしてありますので、まずは答えを考えてみてください。問題の下に解答と解説を添えています。

はじめに

中学社会の時事問題は、ニュースをそのまま聞くというよりは「中学地理」「中学歴史」「中学公民」のレベルに落とし込んだ出題が多いです。要するに、中学生向けに簡単にアレンジされているということです。ですので、もしもニュースを見ているときに教科書で学習した内容に関連したことが出てきたならば、それはチェックしておきましょう。

学校の先生が授業中に触れたニュースも要注意です。さらに、人名ならば写真を、国名・地名ならば地図を使って位置の確認をしておくのもいいでしょう。

2018年9月の時事問題

 

2018年9月のニュース
次の問いに答えなさい。(    )のある問いは、(     )に入る適当な語句を答えること。

Q1 9月2日、国立博物館の大規模な火災によって、多数の科学的遺産、文化的遺産が消失した南アメリカ大陸にある国はどこか。

Q2 9月6日に震度7を観測した地震を「平成30年(    )胆振(いぶり)東部地震」と命名すると気象庁が発表した。

Q3 9月8日、日本人として初めてテニスの四大大会である全米オープンで優勝した女子テニスプレーヤーはだれか。

Q4 9月18日より韓国と北朝鮮の両首脳が会談を行い、合意文書である「(    )共同宣言」に署名した。

Q5 9月20日に投票が行われた自民党総裁選において、総裁に選出された人物はだれか。

Q6 9月22日、探査機「はやぶさ2」から分離した小型探査ロボット2台が着陸に成功した小惑星の名前は何か。

Q7 9月27日、政府は7月の西日本豪雨に次いで、台風19~21号による被災地自治体を(     )災害に指定した。

Q8 9月28日に行われた日米首脳会談によって、二国間で新たな通商交渉が始まった。日本政府が締結を目指している物品貿易協定をアルファベット3文字で何というか。

Q9 9月28日にマグニチュード7.5の地震が発生した東南アジアの国はどこか。

Q10 9月30日、(    )県知事選が行われ、前知事の翁長知事の遺志を継いだ基地移設反対派の玉城(たまき)デニー氏が当選した。

ブラジル国立博物館で火災

Q1 答 ブラジル

ブラジルのリオデジャネイロにある国立博物館で9月2日夜、老朽化による漏電が原因とみられる火災が発生しました。

200年の歴史を誇る博物館で、恐竜の骨格やエジプトのミイラなど約2000万点が収められていましたが、その90%が焼失してしまいました。

ミシェル・テメル大統領(当時)は「全ブラジル国民にとって悲しい日」とツイートしましたが、その収蔵品のレア度からいって、人類にとって大きな損失と言っても過言ではないでしょう。

実は老朽化による火災のおそれは兼ねてから指摘されていたようです。しかし、ブラジル政府はリオデジャネイロ五輪の開催に資金を注ぎ込んだため、博物館の予算は削られてしまいました。少しでも防火対策に費用が使われていたらここまで大きな被害が出なかったかもしれませんね。

北海道胆振東部地震、死者41名

Q2 答 北海道

9月6日午前3時7分、北海道胆振地方中東部を震源とするマグニチュード6.7の地震が発生しました。厚真(あつま)町では震度7を観測し、41名の犠牲者が出ました。犠牲になった方の大半は、がけ崩れや土石流など土砂災害によるものです。

また、震源近くの苫東(とまとう)厚真発電所が停止したことなどが原因で地震発生から18分後、北海道内全域のおよそ295万戸が停電した。全域停電(ブラックアウト)は日本で初めてです。

停電によって大きな問題となったのは電灯ではなく情報網の遮断でした。そうです、スマホの充電切れです。道内各所で充電コーナーが開設されて、長蛇の列となっていました。今の時代、情報の収集、連絡手段としてのスマホの役割は大きいですね。

それに関係してか、モバイルバッテリーの売り上げが伸びているというニュースも目にしました。
充電コーナーだと盗難や取り違えの危険があるので充電中はそばにいる必要がありますし、第一に混雑しているので思ったように充電ができないでしょうから、手元にモバイルバッテリーがある方が便利かもしれません。

さらに停電時は電子マネーが機能しませんので、買い物ができません。いざという時に多少の現金を用意しておかなければいけないということですね。

大坂なおみ、全米オープンテニス優勝

Q3 答 大坂なおみ

9月8日、テニス四大大会のひとつである全米オープン女子シングルスで日本の大坂なおみ選手がアメリカの元世界1位のセリーナ・ウィリアムズを破り優勝しました。四大大会のシングルスで日本人が優勝するのは男子も含めて史上初のことです。

第2セットにセリーナ・ウィリアムズが審判からの警告を受けたのをきっかけに、苛立ったセリーナはその後、ラケットを折るは猛抗議をするはでヒステリックになってしまい、なんとも後味の悪い試合になってしまいました。

さらに残念だったのが表彰式でしたね。優勝者インタビューが始まろうとしたその時、場内から強烈なブーイングを浴びせられ、悪いことなどひとつもしていないのに第一声で目に涙を浮かべて謝罪の言葉を述べる彼女の姿が本当に可哀想でした。
まだ20歳ですので、今後の活躍が大いに期待されますね。

ちなみにテニスの四大大会とは、全豪オープン、全仏オープン、ウィンブルドン選手権、全米オープンのことで、別名グランドスラムともいいます。

南北首脳会談、平壌共同宣言に署名

Q4 答 平壌(ピョンヤン)

9月18日より韓国の文在寅(ムン・ジェイン)大統領が北朝鮮の首都平壌を訪問し、金正恩(キム・ジョンウン)国務委員長との間で南北首脳会談が行われました。

宣言の中には、次の6つの約束が盛り込まれています。
1 北と南の敵対関係の解消をめざす約束
2 北と南の経済的協力を継続して話し合う約束
3 北と南で離散した家族をめぐる問題解決の約束
4 北と南の多方面で協力と交流を続ける約束
5 朝鮮半島から核をなくすよう早急に対策する約束
6 金正恩国務委員長が近いうちに韓国の首都ソウルを訪問する約束

ここまで定期テストで出題されることは稀ですが、隣国の問題ですので少しで知っておくといいかもしれませね。

自民党総裁選、安倍晋三氏3選

Q5 答 安倍晋三

9月20日に投票が行われた自民党総裁選で安倍晋三氏が3期連続で当選を果たしました。
今回の安倍晋三氏と石破茂(いしばしげる)氏の2名が立候補しました。開票結果は安倍氏553票、石破氏254票という結果になりました。

自民党総裁の任期は3年です。さらに党のルールで総裁は「3期連続9年まで」となっていますので、今期で安倍さんはラストですね。

中学3年生はすでに学習していることと思いますが、自民党(自由民主党)は現在、国会で多数を占め政権を担う与党です。内閣総理大臣の指名は多数決の原理で議決する「国会」が行うので、一般に「与党の党首が内閣総理大臣に指名される」ことは教科書レベルの基本事項ですので、きちんと理解しておきましょう。

「はやぶさ2」、小惑星「リュウグウ」に探査ロボット着陸

Q6 答 リュウグウ

宇宙航空研究開発機構(JAXA)は、9月22日探査機「はやぶさ2」から分離した小型探査ロボット「ミネルバⅡ-1」が、小惑星「リュウグウ」に着陸したことを発表しました。

小惑星「リュウグウ」は先に発見された小惑星「イトカワ」と同じプロジェクトチームによって1999年に発見された小惑星で、地球と火星のあいだを公転する軌道になっています。
大きさは推定で直径約900m、球形に近い形をしているとされます。重力はなんと地球の8万分の1です!ケタが違いすぎて、どうにも想像できない世界ですね。

今回の探査ロボットもあまりの重力の小ささに車輪を使って移動すると機体が浮いてしまうということで、地面をジャンプさせて移動する方式になったようです。直径18cm高さ7cmの小さな機体で地表の様子を撮影や温度測定など調査をしていくとのことで、新たな発見が期待されますね。

そういえば、民間人が宇宙へ行くなんていうニュースも話題になりましたね。宇宙についてはまだまだ謎だらけですが、私たちにとって昔に比べたらはるかに身近なものとなってきました。遠く眺めているだけかと思ったら、実際に行ける可能性まで生まれてきたわけですから。

台風19~21号の被災地、激甚災害指定へ

Q7 答 激甚(げきじん)

9月27日、政府は台風19~21号の被災地を激甚災害に指定すると発表しました。激甚災害の指定は7月の西日本豪雨についで今年2例目となりました。

「激甚災害」とは自然災害の中でも、国民生活に多大な影響をおよぼし、被災地・被災者への財政援助をとくに必要とする災害のことです。その指定は内閣総理大臣が行い、内閣の「政令」として公布され、施行されます。

「激甚災害」に指定されると、補助金が最大9割まで引き上げられます。これによってまず被災地の施設・土地・企業などが補助されます。日常生活に必要な道路・住宅・学校・企業・農地などの復興を全力でサポートすることになるというわけです。

また被災者個人に対しても支援のための制度が各種設けられています。元どおりの平穏な暮らしに一日でも早く戻れるように、いざというときにはいろいろな制度が国民を支えているわけです。

日米首脳会談、二国間交渉開始

Q8 答 TAG

9月28日、ニューヨークで行われた日米首脳会談において、両国首脳は貿易に関する二国間の交渉を開始することで合意した。

実はこのニュースは「一般常識系」の記事でじっくり話をしたかった内容なんです。やむをえず筆を進めます。
このニュースを理解するためには、次の語句を予備知識としてまずはしっかり確認してください。

貿易に関する予備知識
1 関税
…輸入品に課せられる税のこと。外国製品を国内に輸入するときに、輸入する国の企業が支払います。
安い外国製品を何もせずに国内に出回らせてしまうと、価格面で国内製品が不利になってしまいますね。そういった事態から国内の産業を守るためにあるのが関税なのです。ですから、自国でも生産できる製品は関税が高く、自国で生産できない製品は関税が低く設定されているのがふつうです。

2 貿易黒字 
…輸出額から輸入額を引いた差額がプラスになること。輸出額>輸入額で覚えましょう。

3 貿易赤字  
…輸出額から輸入額を引いた差額がマイナスになること。輸出額<輸入額で覚えましょう。

4 FTA(自由貿易協定)…Free Trade Agreement 
…結んだ国どうしが関税を調節することで、物・サービスなどの自由な貿易を進めていく協定。

5 EPA(経済連携協定)…Economic Partnership Agreement 
…FTAよりもさらに広い経済領域で連携していくための協定。FTAよりも結びつきが強く、カバーできる範囲がひろくなったものだと思ってください。

4 TPP(環太平洋パートナーシップ協定)…Trans-Pacific (Strategic Economic) Partnership (Agreement)
…環太平洋地域の国々の経済の自由化めざした協定。EPAの一種。
加盟国どうしの関税の撤廃などが主な内容となっています。当初、アメリカを含む12カ国で交渉が始まりましたが、2017年1月に就任したトランプ大統領がTPP離脱を表明しました。「TPPはアメリカにとってメリットがない」と判断したのです。

けっきょく日本を含む残り11カ国は2018年3月にTPP11(CPTPP)というアメリカ抜きの協定を結びました。アメリカの要望で加えられる予定だったルールは一旦凍結して、将来的にアメリカが戻ってくることを期待した形になっています。

さて、話を日米首脳会談に戻します。今回の会談の最大のポイントが「貿易」でした。両国に利益のある貿易交渉を実現のために会談が設けられました。
会談前、両国の思惑はこんな感じでしょうか。

アメリカ
「とにかくアメリカの農産物の関税をもうちょっと下げてほしいんだよなあ」
「交渉がうまくいかなかったら、検討中していた日本の自動車輸入制限を考えようかなあ」

日本
「アメリカと良好な関係を保ちたいけど、自分の国の経済も最優先に考えないといけないなあ」
「アメリカはアップル、グーグル、アマゾンとかサービス分野が強いから、そこまで協力したら国内から不満がでるかもしれない、だとするとFTAは難しいなあ」
「うん、だから「物」の貿易だけ協力できる形を提案しよう。名前はそうだな、物品貿易協定(Trade Agreement on goods)にしよう、略してTAGだ。農産物の関税はTPPの話し合いのときに出たところまでは認めよう」
「いやでもなあ、そんなこと言って日本の看板商品の自動車を輸入制限とかされちゃったらどうしよう、、、」

会談の結果、TAGの締結に向け、農産物の関税を含む二国間の交渉に入ることなどを盛り込んだ共同声明が発表されました。
日本が心配していた自動車の輸入制限もとりあえず交渉中には発動しないとのことで、今後の交渉に国内外の注目が集まっています。

インドネシアでマグニチュード7.5の地震

Q9 答 インドネシア

9月28日、インドネシアのスラウェシ島でマグニチュード7.5の地震が発生しました。
津波による被害もあり2000人以上の命が奪われました。インドネシア政府によると津波の高さは最大で11.3mとのことです。

インドネシアはイスラム教の国ですので、モスクという礼拝堂が各所にあります。
今回の地震でスラウェシ島のモスクはほとんどが倒壊してしまったとのことです。

インドネシアは日本と同様、地震大国です。2004年に22万人の死者を出したスマトラ島沖地震をはじめ、これまでに何度も大きな地震の被害に遭ってきました。

自然災害の猛威は、この地球上で生きている限り付き合っていかなければいけない問題です。前述した台風もそうですが、「注意しすぎ」は決してありません。「注意しすぎ」で笑われるくらいがちょうどいいのかもしれませんね。非常に考えさせられます。

沖縄県知事、玉城デニー氏当選

Q10 答 沖縄

9月30日、沖縄県知事選挙の投票が行われ、開票の結果、玉城デニー氏が政府公認の候補者を破って当選を果たしました。玉城氏は急逝した前任の翁長(おなが)知事と同じく辺野古(へのこ)への基地移設を反対しています。

沖縄の基地移設問題は今後、別記事でくわしく書きます。
とりあえず現時点では次のことだけを押さえておきましょう。

・日本政府の考え
…沖縄県宜野湾(ぎのわん)市にある米軍の普天間基地(飛行場)の機能を、同じく沖縄県名護(なご)市にある辺野古という場所に移設しようとしている
・沖縄県の考え
…辺野古への移設には反対している

こうした事情のもとで行われた、今回の知事選で移設反対派の玉城氏が勝利したということは沖縄県民が現時点で「基地移設に反対している」ということのあらわれですね。日本政府と沖縄県の考えが真っ向から対立している状態ですので、まだまだ解決には時間がかかることでしょう。

まとめます

いかがでしたか。2018年9月は自然の猛威を改めて思い知った1ヶ月だったのではないでしょうか。
定期テストできっちり点数を残せることを第一にこの記事を書いていますが、願わくば中学生に今の世の中をきちんと知ってもらいたい、自分の考えや意見を持ってもらいたい、そんな思いで筆を進めています。

時事モンGO、次回「2018年10月のニュースまとめ」は11/10(土)にアップします。
「次回も時事モン、ゲットだぜ!」

この記事を書いた人

加藤 正和
加藤 正和
足柄駅前教室・酒匂教室責任者/文系科目担当

・「もっとよい授業」を追いかけるのが趣味。単に飽きっぽいのか。
・「熱しにくく、冷めにくい。」一度火が付いたら止まらない性格。
・「書けそうで書けない絶妙なポジションの漢字」を探すのに夢中。

ミスチルと中島みゆきとももクロをこよなく愛しております。
ビールと日本酒をこよなく愛しております。
したがって、カラオケと居酒屋をこよなく愛しております。

めったにブログ書きませんが
筆無精の「全力」をご覧ください