小学校といえば、所持品に関して数々の謎ルールがあります。親御さんにとっては懐かしいお話ですね。

私の担当している小学生のS君と世間話をしていたところ、謎ルールが1つ無くなったと聞きました。それが、「シャーペン使用解禁」です。

数ある謎ルールの中でも鉄板の「シャーペン禁止」。それが解禁されたと聞いて、私は驚きを隠せませんでした。え?大げさですかね?私が小学校時代である何十年前より以前からずーーーっと脈々と受け継がれていた難攻不落のルールですからね。

さて、学習の効果としてはいかほどなものか。メリット・デメリットともに大きいんですよ。

シャーペンを使うメリット

1つは「細い字が書ける」ことです。

その恩恵を大きく受けるのが、算数でしょう。

小学校で使う算数ノートといえば、方眼マスのノート。ウチの塾でも小学生はみな方眼マスのノートを使います。

塾では、1つのマスに1つの数字を書いて筆算するように指示しています。ノートを非常に大きく使ってしまいますが、鉛筆使用を想定すると、筆算の繰り上がり・繰り下がりなどで小さい数字を読みやすく書くのが難しいんですよ。だから、マスを大きく使ってスペースを取り、少しでも読み間違いが無いように気をつけなければいけません。

シャーペンなら圧倒的に小さい字が読みやすい。これが筆算に活きてきます。もちろん丁寧に書くことは当たり前ですが、小さい文字もつぶれずに書けるので、0と6を見間違えたりする単純ミスが大幅に減りますね。

もう1つのメリットは、「細い線が書ける」ことです。

結局太さかよ!と思われるでしょう。いえいえ、細い線は正義ですよ。

作図をしたり、グラフを書いたりするとき、おおよそ許される誤差は1mm程度でしょう。それ以上は明らかにズレている感があるので、×になります。

ところが、鉛筆の場合削っていても筆跡が1mmくらいになりますから、それだけで誤差が出てしまいます。自分で言うのもなんですが、私だって鉛筆で書いたら多少ずれてしまいます。ましてや小学生の器用さレベルだと、まともに書ける子の方が少ないくらいです。

プロでも製図をシャーペンでやるくらいですからね。鉛筆で作図をさせること自体私はどうかと思っています。

S君は6年生なのですが、どうやら今回のシャーペン解禁は6年生だけに限られたもののようです。本当は垂直と平行の作図が始まる4年生くらいから解禁して欲しいくらいです。

シャーペンを使うデメリット

キャラクターものがダメだとか、高いものと安いもので格差が生まれるからダメだとか、そんなことはどうでも良いと思います。先生がシャーペンを禁止する理由にこれを挙げるのはむしろ失礼でしょう。教育に熱が入っているご家庭なら、お金の有る無し関係なく道具はしっかりしたものを持たせますよ。

もっと大きなデメリットは、トラブルが多いことです。

シャーペンを使っていると、「芯が出ない」「芯が折れる」「芯が無くなる」「分解して元に戻らない」というアクシデントはつきもの。この対処に時間と意識を取られてしまい、肝心の授業を聞き逃すのです。

私の授業中にこんなことをしようものならカミナリが落ちますけどね。

事実、学校でシャーペンが解放されたと教えてくれたS君は、その日の授業中に用も無くシャーペンをバラし始めて私に叱られています。そりゃ先生も禁止したくなるわ、と思った瞬間です。学校だとそんな生徒がウジャウジャいるわけですからねぇ……

シャーペンを使うなら、バックアップが必要です。万が一シャーペンにトラブルが出たら、もう1本のシャーペンにすぐ持ち替える。こうすればデメリットはほぼ無くなります。修理は休み時間にすればいいのです。

シャーペンが壊れる謎

余談ですが、小学生のシャーペンはよく壊れます。否、壊します。

基本的に、分解出来るモノは壊れやすいです。分解するとさらに壊れやすくなります。本人たちは修理をしている気分かもしれませんが、私から見たらトドメを刺しに行っているとしか思えません。

芯の交換以外シャーペンをいじる必要はないので、余計なことはしない方が身のためですね。

あと、シャーペンの扱いが下手な子ほど、芯を先端から補充します。シャーペンの芯は上から補充するのを前提に作られていますので、先端から補充しようとすると、中にあるゴム製の小さな部品(分解した事があればお目にかかるはず)が先端から外れやすくなります。

やはり、道具は正しく大事に扱いたいものですね。

まとめ

今回解禁になった小学校がレアなだけで、依然シャーペンは禁止の学校がほとんどです。

しかし、図を書くのも筆算をするのもやりやすいシャーペンは、使いどころを間違えなければ便利な道具である事は疑いようがありません。

私の予想では、すぐに再び禁止になるような気がしてなりません。何なら学校の先生が正しい使い方を教えてあげてはどうでしょう。子どもたちは道具の正しい使い方を意外と知らないですからね。

ちなみに先ほどのS君。シャーペンの芯の補充を先端から差す一族なのですが、なんでそうやっているか聞いてみたところ、

「この方がやりやすいし、早いじゃん!」

と言っていましたが、言ってるそばから力を入れすぎて芯を折っていました。説得力ゼロです。

この記事を書いた人

富田 靖之
富田 靖之螢田教室責任者
指導歴そろそろ20年の理系担当講師。
一見クールそうに見えます(と自分は思っている)がそんな事ありません。
教室ブログはムダに長文が多いので、お暇でしたらご覧下さい。