担当している山王教室はテスト対策まっただ中、忙しさに目が回りそうな陌間です。こんにちは。

さて、以前の記事でも書いたように、試験対策期間中は平日週5日×3時間と週末の長時間演習6時間の対策モードに切り替わっています。

生徒はその期間中、こちらが作成した「やることリスト」を元に必要な部分を覚えたり、繰り返したり、難問に頭を抱えたりとそれぞれテストにむけてどっぷり演習しているところです。

こちらもこちらで、やるべきことにきちんと取り組むことができているか、レベルにあった内容に取り組めているか、内容が頭の中に入っているか・・・などなど一人一人の様子を見ながら、その合間に質問を受けたりなど目まぐるしく過ごしています。

そうやって勉強に取り組んでいる様子を見ているとやはり一人か二人、明らかに視線がテキスト以外のところに向いていたり、手先をいじっていたり、テキストやノートを見ているようで心ここにあらずみたいな子もチラホラ見られるんですね。

声をかければ自分の世界から帰ってきますが、ちょっと目をはなすとまたアチラに戻ってしまう・・・なんてことがあったりします。

「集中力がない、集中力を上げたい、それにはどうしたらいい?」

ときどき、そんな質問を受けることがあります。

あるいは「自分の好きなことには集中できても、勉強となると途端に集中できなくなる」なんてことを言われることもあります。

まぁ当然ですよね。

好きなことなら無条件に集中できるもんです、いや、集中できるから好きなのかな?

勉強が好きだ、という人はそう多くないでしょうから、勉強しているときに集中できないで悩む人がいるのも当然だと思います。

じゃあどうすればいいの?という話です。

結論からいえば、小さいゴールを設定すること。

これこそまったく集中できない、集中力に欠ける人が取り組むべき最良の方法です。

ゴールが見えなきゃ集中も何もない

マラソンを想像してください。

ヨーイドンの合図で一斉にスタートはしたものの、どこがゴールか知らされなかったとしたらどうですか。

いったいどこまでがんばればいいのか、足や全身の疲れをどこまで我慢すればいいのか。

どんなに優れた人でもきっと立ち止まります。集中なんてつづきません。

だってどれだけがんばればいいかの目安がないんですから。

もちろんこれは極端な例。

現実的ではありません。

でも勉強だったらどうです。

ワークや問題集などをいつまでやる、どこまでやるといった目標(ゴール)を設定せずに勉強を始めてしまう。

よくありそうな話です。

始めたはいいものの、具体的なゴールがないので無限マラソン状態になってしまう。

その中で集中し続けるなんてどだい無理です。

一応試験範囲っていうとてもぼやけた目標はありますが、そこを目指すのにどういうルートを通っていくのかが無計画だったらゴールなんてあって無いようなものです。

集中を維持して、勉強の効果を上げるには小さく小さくゴールを設定していくこと、これが必須です。

効果的なゴール(目標)の決め方

じゃあ、実際にゴールを設定してみましょう。

多くの人がやりがちなのは「○時間勉強したらゴール」という時間単位の目標設定です。

はっきりいいます。

この方法では集中できません。

時間はこちらが何をしなくても勝手に経過していきます。

それどころか、「あと○分でゴール」といった具合に時計ばかり気に掛かって勉強の内容がおろそかになります。

むしろ逆効果です。

目標を決める上で大事なのは頑張れば頑張っただけ早くゴールできる内容にすることです。

「問題集を○ページまで終わらせる」、「△時までにレポートを完成させる」みたいな感じでしょうか。

これならば自分の頑張り次第で目標達成を早くすることが可能です。

頑張れば頑張っただけ目標達成が早くなる。

早くするためには集中が必須になる。

そうした目標設定とゴールを短い時間のサイクルで繰り返すことで集中力は増していきます。

どうにも集中が続かないという人はだまされたと思って今すぐ始めてみてください。

とりあえず最初は極簡単なゴールでいいです。

ゴールを決めて、その通りに達成していく癖をつけましょう。

予定通りゴールできるようになったら

自分の立てた目標が簡単に達成できるようになったらレベルアップのチャンスです。

目標を高くしていきましょう。

単純にゴールまでのページを増やして負担を増やすのもいいでしょうし、取り組み自体の難易度を上げていくのも効果的です。

僕自身を例にすると

受験期に英単語を覚えるために、1日5ページ分の単語を覚えることを最初のゴールとしていました。

それが余裕に感じてきたのでページ数を増やしつつ、単語の意味だけでなく横に載っている例文も覚えることにしました。

すると単語の意味が分かるようになるだけでなく、英文を日本語に訳すときの苦労も減ったり、並び替えの問題もあまり考えなくてもある程度のレベルまでは勝手にできるようになりました。

すると不思議なことに英語以外の科目もすんなり頭に入ってくるようになったんです。

まぁ個人の体験なんでだれしもにあてはまるわけではないかもしれません。

でもあのときの地力が上がった感じはなかなか愉快でした。

これって勉強に限った話じゃないんです

今回は集中を磨く方法、そしてそれを勉強に活かす方法として小さいゴール設定の話を書きましたが、この方法って集中力アップに限らず色々と応用が利くんですよね。

例えば仕事。

ある仕事を終わらせるためにどれだけの時間がかかるか大まかに考え、完成させるために必要な行程を組んで、それがうまくいくように小さいゴールを決めていく。

あとはそのゴールを自分ができる時間に割り振って少しずつ、でも着実に完成させていく。

こうすると精神的にも時間的にもゆとりがうまれて、何か新しいアイディアを考えたり新しいチャレンジをする余裕が出てくるんですよね。

もちろんその余裕を使って休んだり、リフレッシュだってできます。

そう考えると勉強を計画的に頑張ることって、将来のためのかなり良い予行演習です。

なかなか集中できなくて、勉強にもやもやを抱えているなら大した負担にもならないので試してみてはいかがでしょうか。

この記事を書いた人

陌間 和将
山王教室の責任者・国語の教科責任者を担当しています。
日常の授業を通して考える習慣を身につけてもらうべく、様々な仕掛けを凝らして授業をしています。