6月頭に始まった試験対策ですが、中学校のテスト日程が半月ズレているため、一難去ってまた一難(難では無い)というか、1ヶ月丸々試験対策をしている富田ですこんにちは。

現在私の指導する教室の中学生は試験の真っ最中。恐らく小田原市のトリを飾ります。

生徒たちは学校の試験に向けて熱心にワークを解いています。質問も活発ですね。質問の合間にブログを書こう!なんて目論んでいますが、1回も成功したことはありません。

とある生徒の国語の質問

そんな中、国語のワークを進めていた中1生から質問がありました。

「先生、この4択問題って、本文に書いてある情報から答えなきゃいけないんですよね?」

確かにその通り、国語の問題は本文に書いてある内容を元に答えなければいけません。書いていない事を勝手に想像して答える問題ではありません。

いつも教わっている事がキチンと身についているね、感心感心、などと思っていたところ、その生徒から衝撃の一言が。

「じゃあ先生、この問題答えられません」

学校や塾のテキストが抱えるある「問題」

学校の先生が作った問題ならともかく(失礼)、彼が指摘してきた問題は塾専用教材です。しかもあらゆる塾が採用している超メジャーなワークをして、「答えられない」と。

そこで、その生徒に説明を求めました。

「どうして答えられないと思ったの?」

作品は「空中ブランコ乗りのキキ」。中1の教科書にあるくらいですから文章はとても読みやすく、なおかつ印象に残りやすい作品です。

多くの塾用テキストは、使いやすさを考慮して、見開き2ページに本文と問題文がまとまっています。必然的に本文の量は少なめに。せいぜい全体のスペースの1/3程度ですね。

つまり、本文を全て載せることはできない。これが大きな問題なのです。

本文中に無いことを知っている前提の問題

件の生徒の指摘は、普段の彼からは想像も付かないくらい理路整然としていました。

指摘された問題は、文章のまとめ的なもので、「キキはどんな生き方をしたと言えるか」という問いにふさわしいものを選ぶ4択問題でした。

「先生、この4択問題で正しい答えは『自分の力を信じることができず、不思議な薬に頼ったさびしい生き方』なんですけど、この『不思議な薬』が何なのか、本文だと分かりませんよね?」

彼の言うとおりです。確かに教科書本文を読めば、怪しいおばあさんが怪しさ満点の不思議な薬をくれることが分かります。キキはその薬のおかげでいくら努力しても出来なかった四回宙返りが成功するのですが、引き替えに命を落としてしまう、そんな話なんです。

ところが、その問題集の本文中には「怪しいおばあさん」も「不可能を可能にする薬」も出てきません。

ただ「薬を口の中に入れました」という記述しか無いのです。

「先生、この薬って風邪薬かもしれないよね。この部分だけ読んでも、そんな魔法の薬なんてこと分からないじゃん」

もうお手上げです。参りました。

学校のテストは本文を覚えていなければならない?

その生徒の指摘は全面的に正論です。明らかにワーク側の欠陥ですね。今度教材屋さんに伝えておくことを約束しました。

人によっては「そんな屁理屈をこねて」と思う方もいるでしょう。しかし、そんな曖昧な解き方をしているから、小説文の読解が安定しないのです。

本文を覚えていることが前提の問題は、「読解問題」ではありません。ただの暗記問題、国語としては悪問です。

自分の持っている主観や先入観を無くして初めて正確な読取りが出来るのですからね。

現実はそうではありません。学校のテストに関して言えば、よほど能力の高い先生でないと正確な読解問題は作れません。

泉中学校は問題を回収してしまうので定かではありませんが、学校のテストは分量の制限があるので、本文を全部載せるわけにはいきません。思わず知っていることを前提に出題してしまうこともあるでしょうし、実際によく見かけます。

このあたりは今に始まったことではありませんし、学校のテストは読解問題とはうたっていませんので、知識問題ばかりでも文句は言えないんですよね。本文と先生のノートをいかに覚えるかが問われるテストなのは今更でしょう。

基本姿勢は崩さず「本文中のことだけ」で良い

なぜその生徒がこだわって指摘をしてきたか、私たちがずっとそうやって教えてきたからなんです。

小学校からその方針をたたき込まれて来ています。それが当たり前になってきたからこそ出た指摘なので、非常にポジティブな事だと思っています。

国語の本質は、論理的思考だけの推理ゲームではありません。それだけではつまらないですからね。

一方で、個人によって差がある想像に頼った解釈ではなく、本文を根拠とした客観的な読解を出来るようにする必要もあります。これは試験のためでもあり、誤解をせず解釈をするためにも欠かせない訓練です。

今回の生徒のように、本当は小学生の段階でそういった正確な読み方が出来るようになっていると、将来有望です。一度付いた癖はなかなか取れませんので、早いうちがよいですね。

もっとも、今回指摘してきた生徒の性格から考えると、私をちょっと困らせてやろうというイタズラ心だったのかもしれませんけど。いや、そうに違いない。

この記事を書いた人

富田 靖之
富田 靖之螢田教室・板橋教室責任者
指導歴20年の理系担当講師。
教室ブログはムダに長文が多い上にコアな内容が多いので、お暇でしたらご覧下さい。
2019夏期特訓体験生募集中