塾の先生たちの会話あるある。

「中学校のときどうだった?やっぱり勉強してた?」
「いや、普通に授業受けてただけだけど」

どうも富田です。いや、だいたいウチの同僚たちと話してても、同業者の先生たちと話してても、だいたい同じ事しか言いません。それが「普通に授業受けてた」という台詞。今まで「凄い真剣に授業受けてたよ!」なんて一度も聞いたことありません。

こういう事を言うと、だいたいの生徒が「そりゃ先生たちは頭良かったから授業聞いただけで分かるんだよ」というリアクションをするのですが、それはちょっと違います。

「普通」という表現の意味が違うんですよね。

オール4の子の「普通」とオール3の子の「普通」

オール4の子とオール3の子の能力差は、思ったほど大きくはありません。もちろん差はありますが、オール4とオール4.5の差よりも小さいでしょう。それだけ中堅層の成績はささいなことがキッカケで大きく変わります。

今までオール3の子を何人もオール4に伸ばしてきた経験から感じるのは、中学校の授業の受け方に大きな差があること。それが成績を大きく変える要素なのでしょう。

きっとそれぞれの生徒は「普通」に授業を受けているのでしょうが、そこには大きな差があります。この「普通」の基準をいかに上げていくか、意識を上げていくかを塾の授業を通じて取り組んでいます。

授業を受ける「力」の正体

具体的に、授業を受けるときに必要とされる「力」についてまとめてみます。オール4やそれ以上を取る中学生は、その基準が高く、それを「普通」と思っているところに違いがあるんですね。

集中力

集中力についてはまさに昨日学院長がブログを書いていますね。

集中力を養うには

集中力を高める、というと難しそうな気がします。そんなんどうしたらいいのよ、と思っている方、1つだけ心がけて欲しいことがあります。

それは、「先生の目を見続けること」です。

私も毎日教壇に立っている身ではありますが、生徒たちを見回すと「常に目が合う生徒」と「たまに目が合わない生徒」に分かれます。さすがに塾内に「常に目が合わない生徒」はいませんが、学校だといそうですね。

先生の視点から見ると、生徒が集中して聞いている(ように見える)かは一目瞭然です。

授業態度の観点はともかく、まず話し手を見ているときと見ていないときで、話の内容の入り方がまるで違います。先日セミナーに参加してきたときも、自らに言い聞かせながら講師の先生を見つめ続けていました。おかげで話の内容がスッスッと入ってくるので、実りのある時間になったのを実感しています。

実際に集中しているかどうかはさておき、目を離さなければ少なくとも意識がそれることはありません。

語彙力

先生の話は中学生レベルにかみ砕いた内容になっています。ド新人でも無い限り、先生というのは意識せずにそういう話し方を出来る特殊能力を持っていますからね。

しかし、中学生レベルの語彙力が無い場合、先生の話が理解出来ません。当たり前の話です。

話の端々でいちいち「今の言葉何?何!?」なんてハテナが飛び交っていたら、その都度思考がストップします。

その子が持っている語彙力はなかなか測れません。ある程度深い会話を続けたり、やや難しめの文章を音読させたりしないことには気づいてもらえません。

そして、最も厄介なのはその子の語彙力の不足に意外と気づかないのが保護者であることです。毎日接しているから分かりそうな気もしますが、日々の僅かな変化を十数年見続けていると、基準があいまいになってしまうんですよね。「この子はこんなもんだろう」という認識ですし、同世代の他人と比較するのも難しいし、なにより比較自体ナーバスな問題ですからね。

我々塾講師のような第三者が適任というところでしょうか。

語彙力に関しては、日々多くの語彙に触れる生活を送るか、意識的に言葉を覚えていかなくてはいけません。学校でそれは叶いません。教科書にそんな単元はありませんので、授業で語彙力を増やすような取り組みを学校では行わないからです。

まず同世代のSNS以外の文章に触れることを意識しましょう。そして、分からない言葉だらけだと思いますので、保護者と一緒に情報に触れることが大事です。難しいニュースだったり、ドラマの台詞の一節だったり、親子でコミュニケーションを取りながら親しんでいくのが色々な意味で重要ですよね。

瞬間記憶力

授業中に先生が喋ったことをノートにメモするとき必要な能力、それが瞬間記憶力です。

先生が書いた板書の内容や、先生が言った大事なこと、これをノートに書き写すまで一瞬だけ記憶しておかなくてはいけません。生徒が板書を写すときは、記憶と忘却を幾度も繰り返しているのです。なんか大層なことをやっているように聞こえません?

しかし、この瞬間記憶力が低いとどうなるか。黒板を見て、ノートを見て、また黒板を見て、という往復の回数が異様に増えます。要は、まとまった内容を記憶出来ないので、ほんのワンフレーズ覚えて書いてまた覚えて書いて、を繰り返す羽目になるんです。

当然その間にも授業が進んでいきますから、内容の聞き逃しがどんどん増えて行ってしまうでしょう。

ある程度瞬間記憶に長けている子なら、ほぼ一文を記憶してノートに書きながら、その間に新しく先生が話している内容も聞いている。そんな芸当が可能です。というか、それが出来なければ学校の授業を全て吸収するのは難しいのではないでしょうか。

じゃあどうやって瞬間記憶力を伸ばせば良いか。答えはありませんが、そのヒントはあります。

全く話が飛びますが、パソコンのキーボードのブラインドタッチってあるじゃないですか。手元を見ないで打つアレです。こんなアホみたいに長い文章を打つにはブラインドタッチの1つや2つ出来ないとやってられないですからね。

でも、最初から出来た訳ではありません。私の場合、中3のとき自宅のワープロ(古っ)で練習してたんですが、ブラインドタッチのできる兄にコツを聞いたんです。そしたら「何があっても手元を見なければいい」の一言だけアドバイスしてくれました。

いや、その手元を見ない方法を聞きたかったんだよこのポンコツ兄貴がっ!と思ってたんですが、間違えまくってもいいから手元を見ないようにしてたら……すぐマスターしたんですよね。

このことから学べる教訓は1つ。

瞬間記憶を伸ばしたければ、「なるべく多くの内容を1回で覚えるようにしてノートを写せ」ということです。

そう、チョコチョコ黒板を見ているうちは、どうあがいても瞬間記憶力は伸びません。そんな甘えた姿勢ではダメ。とにかく出来るだけ多く覚える、出来るだけ黒板を見ない、ということを普段の授業中から練習をするのです。

本当は小学生のうちに伸ばしておきたいところですけどね。中学生になってからでも充分伸ばせる力ですので、取り組んでみましょう。

まとめ

さて、我々の言う「普通に授業を受けてただけ」という正体は何だったのか。なぜ普通に授業を受ければ成績が伸びたのか。

それは、集中力が磨かれている状態で、充分な語彙力を持ち、瞬間記憶力を活かして無駄なくノートを取っていた。それが意識せずに出来ている状態を「普通」と感じているからなのです。

もちろんそれは小学生時代から培われてきたことですから、一朝一夕ですぐに追いつけるものではありません。と同時に、自覚を持って授業を聞くことが出来れば、追いつけないことでもありません。

同じように授業を受けていても、実は同じではない。これがオール4とオール3という形になって表れてくるのですね。

ウチの塾が集団授業を貫いている理由の一つがこの「授業を受ける力」を養うためです。題して「授業力」を身につけたい方は、ぜひ夏期特訓のクラス授業に参加してみてはいかがでしょう。

一応塾の先生の名誉のために付け加えておくと、たぶんみなさんオール4どころではないでしょうけどね。余談でした。

この記事を書いた人

富田 靖之
富田 靖之螢田教室・板橋教室責任者
指導歴20年の理系担当講師。
教室ブログはムダに長文が多い上にコアな内容が多いので、お暇でしたらご覧下さい。
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