公立高校志願者動向

今年度、神奈川県公立高校への志願者動向はどの様になるのでしょうか。昨年度倍率や今年度募集定員の状況などを考慮し、考えていきたいと思います。

昨年度の倍率

昨年度の神奈川県西部の公立高校の倍率は、「上位が高く、下位が低い」、傾向にありました。

普通科 http://www.pref.kanagawa.jp/uploaded/attachment/915012.pdf

職業科 http://www.pref.kanagawa.jp/uploaded/attachment/915013.pdf

単位制 http://www.pref.kanagawa.jp/uploaded/attachment/915014.pdf

小田原高校

特に小田原高校は志願変更前の倍率も高かったですが、志願変更をする志願者が少なく、志願変更後の倍率も高い状況にありました。これは、今まで行われていた「特色検査」が一昨年度より無くなり、「特色検査」を嫌う生徒にとっては受検しやすい状況になったことが影響していると考えられます。また、受検時の、「内申・受検・面接」の配分が「3・5・2」から「4・4・2」に変更され、内申点の比率が今までと比較して上がったことで、内申点の良い生徒が諦めることなくチャレンジしたと考えられます。

今年度も小田原高校については同じ傾向が見られると思いますが、志願変更後の倍率は、昨年度より若干下がると考えられます。これは、今年度の傾向を見た受験生が、志願を変更する事が予想されるからです。

いずれにせよ、十分な得点力を付けた上での受検が望ましいと思います。

西湘高校

ここ数年、西湘高校の倍率は高いまま推移しています。昨年度は志願変更後の倍率が1.28倍で約90名が不合格となっています。倍率が高いのが何故なのか分析する必要はありますが、駅から近いという立地条件や、だいだい同じランクにある大磯高校や伊志田高校との兼ね合いで西湘高校を選択する生徒が多かったことが考えられます。

隔年現象(一年ごとに倍率が高くなったり低くなったりする現象)もあると考えられ、昨年度より倍率は下がるものの、他校と比べると今年度の倍率も高いまま推移するものと考えられます。

足柄高校

足柄高校は立地条件が悪く、他の学区から通いにくい状況にあるにもかかわらず、昨年度倍率は1.08倍と健闘しているようです。インクルーシブ教育を推進する足柄高校では、体の不自由な生徒の受け入れを行っています。通っている生徒たちに聞いてみると、概ね問題なく授業・行事等が進められているようです。今年度も同じような志願者数が見込まれるものと考えます。

山北高校

昨年度倍率はなんとか1.01倍を保っていましたが、志願変更前の倍率は1倍を切る状況でした。受検時不合格者数は2名と、ほぼ1.00倍に近い状況でした。これは小田原東高校に普通科が出来たことによって、志願者が分散したことが考えられます。

 今年度は昨年度に比べ定員が40名減っています。これは県西部の受検者数を考慮して決められたもので、昨年度の倍率とは連動していません。いずれにせよ、昨年と同じように、志願倍率は低くなるものと思われます。

大井高校

かつては「何とか公立高校に入りたい。」という希望の学生達の牙城とも言うべき存在で、毎年かなりの高倍率で志願者が推移してきました。ところが、クリエイティブスクールになってからのこの2年、志願変更前の倍率は1.00倍を下回り、志願変更後の倍率も1.00倍を割る状況にあります。本来であれば、学科試験が課されずに、面接と自己表現検査だけで合否判定が行われるので、受検しやすくなっているはずですが、逆に受検者数を減らしているのが現状です。

私学進学者への補助金制度が充実される今年度以降、「私学へ進んだ方が良い」という考えが広まり、益々、大井高校への志願者が少なくなるものと考えられます。

小田原東高校

2年前より、総合ビジネスと普通科の2本立てなり、学校名も「小田原総合ビジネス高校」から「小田原東高校」へと変更されました。商業過程への志願者が少なく定員割れを起こす状態にあったことにより、総合ビジネスの定員を減らし、その分を普通科として募集開始したものです。

普通科については定員が120名(3クラス)と少ないこともありますが、倍率は志願変更前で1.09倍、志願変更後で1.07倍となっています。一部データによると山北高校を平均点で上回り、山北高校と志願者を奪い合う状況にあるとのことです。

 小田原東高校に近い場所の生徒達からは根強い人気があり、交通の便などを考慮すると、小田原東高校を選択する志願者が増えるものと考えられます。

総合ビジネス科は普通科と分かれた年の倍率が、1.22倍と高かったことから、隔年現象で定員割れを起こしていると捉えることが出来ます。いずれにせよ定員が120名と少ないので、実力のある生徒が1人志願すると、当然のことながら、平年であれば合格出来る生徒が不合格へと追いやられてしまうので、入試に向け実力をつけた上での志願が望まれます。

小田原城北工業高校

工業過程として「普通科に進むよりは技能を身につけて職に就きたい」という生徒たちからは根強い人気があり、志願者数は安定している。今年度も同じような志願者推移になると考えられるが、それぞれの科の募集定員が少ないこともあり、内申点だけでなく学科試験での得点力も必要となるので注意が必要だと思います。

吉田島高等学校

1年時は共通のカリキュラムとして生徒募集をし、2年時から「都市農業科」「食品加工科」「環境緑地科」に分かれる方式となっている。今までそれぞれの科ごとに定員を決め、別々の募集枠として募集を行っていたときと比べ、志願しやすくなっているということができます。

伝統校なので大学からの推薦枠も多くあり、大学進学を考える生徒にとっても魅力のある学校ということができます。

今年度も同じような志願者数で推移するものと考えられます。

今年度の募集人数

県教育委員会から発表された今年度の募集定員は下記のリンクで確認出来ます。

http://www.pref.kanagawa.jp/docs/dc4/prs/documents/h31teiin.pdf

今年度、山北高校・大井高校の定員がそれぞれ40名ずつ減らされています。これは県西部地区の現中3生の人数の減を加味して決められたものです。

内申点確保と学科試験での得点力確保を

中3はまさに内申点の出る最後の試験に取り組んでいる最中かと思いますが、充分に得点できるようにすることが大切です。

また、内申点は決して定期テストの得点だけで決められるものではありません。提出物や定期テストの前後に行われる「小テスト」「まとめテスト」の得点、授業中の態度なども加味されます。

当学院では過去に中2の内申点合計から中3の内申点合計が12点アップした例もあります。自分の志望を諦めずに何事にも全力で取り組む姿勢こそが、中学校の先生にアピールします。

内申点の確保とともに必要になるのが、「入試での得点力を知る」ことです。模擬テストなどを受けて、自分が志願する高校への合格に足りる実力があるのか確認していく必要があります。