先日勉強法の掲示物を使って下敷きを作ったブログを書きました。

小学生に勉強法の下敷きをプレゼントしてみた

そのとき、最後のシメの挨拶にこんなことを書いたんですね。

もしこれを読んで自分も欲しい!という奇特な方がいれば、どうぞ私までお知らせください。

いらしたんですよね、奇特な方が(笑)。
実際、なかなかこうやってブログの著者にコンタクトを取るのって、かなり勇気がいるんですよね。
そんなハードルを越えて問い合わせをしてきてくださった事は大変嬉しい限り。

ということで、早速掲示物のデータをお送りしました。

掲示物についての質問を頂いた

送った勉強法の掲示物に、こんなものがあります。

勉強法の画像

素敵なピクトグラムと共に

この画像にある「何も見ずに解く」という点に関して質問を頂いたのです。
ちなみに「せんせー、何も見なかったら問題も見えないから解けませーん」なんていうウチの教室のお調子者とは違ってまともな質問です。
確かにイラストの通りだと何も見えないな……

そんなお茶目なイラストはさておき、このような質問を頂きました。

ワークを解く場合に1周目で分からない問題が出てきた場合、その問題は抜かして進めてよいのでしょうか?

この質問に全力で答えたいと思います。

ワークは1回目が肝心です

1回目にワークを解くとき、絶対に逃してはならないポイントがあります。

ワークの1回目は「自分の分からないところを探す最大のチャンス」

学校の授業や塾の授業を受ける。
その後、ワークを解いてみる。
これが上手くルーティン化していると勉強が上手く回っていきます。

このときワークを解く目的は、「授業で習った事を定着すること」ではありません。
いや、それも無くは無いんですけど、正確に言えばそれより重要な事があるということ。

それが、「自分の分からないところを探すこと」です。

色々な記事で繰り返し書いていますが、ワークを解いたとき一発で解けた問題は、「元々分かる問題」です。
それ、別にもうどうでもよい内容です、現時点では。
※テスト前には忘れるので再演習が必要ですけどね

授業を聞いた「素」の状態で解き、解けなかった部分が定着していない部分。
それが理解していないことが原因なのか、単に練習不足で覚え切れていないのかは分かりませんので、その先の勉強に続きます。

そのスタートラインとなるのがワークの1回目演習なのです。

ワークの1回目は何も見ないで解く

だから、ワークを最初に解く際は教科書もノートも本当に何も見ないで、実力のみで解きます

別にこの段階で完璧になっている必要はありません。
本当の勉強はここから始まります。
いわばワークの1回目は仕分け作業ですから、多少空欄があろうと全く気にすることはありません。

答え合わせをしてから間違えた問題を調べる

1回目を実力で解き終えたら、正確に答え合わせをします。
このとき、空欄だろうが誤答だろうがしっかりバツをつけます。

「1回間違えている」という印はとても大事です。
なぜなら、その問題はその子にとってインプットしづらい知識だからです。
恐らくその後も何度か間違えるかもしれませんし、テスト直前まで壁となって立ちはだかるかもしれませんよね。
そのにっくき敵をしっかりと認識しておくのです。

そして、間違えた問題は徹底的に理解出来るまで調べます
当然答えを写しただけでは覚えませんので、教科書を読み込んだり、資料集を読み込んだり、ノートを調べたりしましょう。
自分なりに理解をしたら、その内容をワークに書き込んでも良いですし、専用のノートを作ってまとめておいてもいいですね。

どうあがいても自力での理解が出来なければ、他人に頼るしかありません。
そう、先生に質問をして解決をします。
塾の先生でも良いですが、まずは学校の先生に聞きましょう。
内申点をアップさせるという打算が多少はありますからね。

ワークを解きながら調べるのは最もやってはダメ

今はウチの教室では学校のワークを試験対策演習中にやるのは御法度ですが、かつてはテストが近くなるとこぞって生徒たちは学校のワークをせっせと埋めていました。

恐ろしいことに、大半の生徒が同じやり方をしているんですよね。
それは、教科書を開きながらワークを解くこと
要は分からない問題を逐一調べながらやっているのです。

これが全く勉強になっていない、むしろ逆効果なんですよね。

理由が2つばかりあります。

まるで正解したように勘違いする

百歩譲って調べたところをバツにするんならいいんですが、十中八九そんなことはなく、マルをつけてしまうでしょう。
そうすると、本来自力で解けない部分を探すという1回目の演習の目的が全く果たせません。

結果、「解いたはずなのに全然覚えていない」ということになりがちです。
問題集を解いたのに点数がイマイチ!なんて現象の原因はだいたいコレだったりします。

時間がかかりすぎる

10問に1問くらいのペースならまだ許せますが、中には全然分からないからほぼ全問調べながらやっている子も。
本来学校のワークは1ページあたり5分程度でサクサク進めていきたいところなんですが、立ち止まっては調べて、とやっていたら軽く小一時間経ってしまいます。

普段の勉強ならまだ時間的に余裕があるので良いですけど、これをテスト前にやってしまうと詰みます。
繰り返さないと覚えることは出来ませんが、時間がかかりすぎて1回目を解き終えた(全然自力で解いて無いけど)ところでタイムアップになってしまいます。

解くときは解く、調べるときは調べる、といった具合に1つ1つの事に集中した方が効率的です。

ワークを全然解けない人はどうする?

とはいえ、全然解けない人が何も見ないで解いていると、それこそ空欄だらけで悲惨なことになるでしょう。
これはワークを解く段階まで行っていないので、その前にやることがあります。

ここで螢田教室OBのARI君の例を紹介します。あり君ではありません。

数学は高校で学年トップだったARI君でしたが、中学校のとき社会が致命的に苦手だったんです。
そんな彼は前述の「教科書開きながらワークを埋める作業」に勤しんでいましたので、ストップさせました。

ARI君「全然分からないから調べながらやってたんですけど、ダメっすか?」
私「うん、それは止めよう。その代わり、解く前にプリントを読み直してからやってみて」
ARI君「読むだけでいいんですか?」
私「いいよ。その代わり、1枚あたり5分だけね」
ARI君「5分じゃ覚えられないですって」
私「どうせ長く読んでも覚える量は変わらないよ。それより時間制限があった方が集中出来るからやってみ」
ARI君「分かりました、やってみます」

ARI君の良いところは、単純なので言われた通りとりあえずやってみるところです。
私のアドバイス通りやってみると、どうやら手応えがあったようです。

ARI君「トミー、何か頭に入ってる気がします」
私「まあ気のせいだけどね。それも即席の知識だから解き直ししなきゃダメだけど、白紙より良いでしょ?」
ARI君「うん、これならやる気が出るから頑張ってみます」

結局その後のテストで得点が倍以上に伸びるのですが、いったい元が何点だったのかは彼の名誉に関わるので触れないでやって下さい。

ということで、ARI君のマネをしてみると良いと思います。

ワークを解くタイミングを間違えないこと

そもそもARI君の問題点は、テスト前になってワークの1回目を解いているところにあります。
はい、正解はもちろん習ったらすぐ解く、です。

テスト前に2回まとめて解くより、まず習ってすぐに1回、テスト前にもう1回解くのが効果的です。
私自身習ってすぐ解く習慣しか無かったので、逆にテスト前にまとめて解く人たちの気持ちが理解出来ません。

授業と併行して解いていけば、授業の後だから内容も忘れていない、ある程度解けるので時間もかからない、知識もすぐに身につく、テスト前に提出物のワークで焦らずに済む、とメリットしかありません。

普段何もしない子たちはテスト前に辛く苦しい思いをしなければいけませんよね。
あまり良くない表現かもしれませんが、デキる子は賢い行動を取るからどんどん賢くなっていくのです。
そういった賢い行動を選択出来るようになっていくと、どんどん伸びていくと思います。
まずはマネをするところから始めましょう。

このあたりは詳しく下の記事で解説していますので、参考に。

学校の問題集はいつやるか?塾の先生がオススメする攻略法

まとめという名の御礼

実は質問をして頂いた方にはメールで個別にお答えしたのですが、多くの方にもシェアしたいと思い、ブログに書いても良いかお伺いしました。
ブログでの公開を二つ返事で快諾して頂き、こうして記事にする事ができました。
この場を借りてお礼をしたいと思います。ありがとうございました。

まあ、ダラダラと長さだけは天下一品な私なので、マトモに回答しようとするとこんな長さになってしまうんですよね。
これがメールで返ってきたらありがたみを通り越してもはやテロです。

もし質問者の方と同じように勉強法で悩まれている保護者の方がいらしたら、ぜひご一報を。
ブログで全部公開しているとおり、ノウハウだけならいくらでも発信します。

保護者の方が本気でお子さんと二人三脚で立ち向かえば、勉強なんて恐るるに足らず、という事だと思います。
私たちは小田原の狭い地域密着の学習塾ですので、エリア的にお手伝い出来ないような方に少しでもお力になれたら幸せです。

この記事を書いた人

富田 靖之螢田教室・板橋教室責任者
指導歴20年の理系担当講師。
Twitter始めました。ブログは長文、それ以外はTwitterで情報を発信していきますので、よろしくお願いします。