小田原市の中学生やその保護者の方々に、内申がいくつだと何高校に行けるのかを伝えたい

こんにちは、富水教室の山田です。
各中学、前期の内申が出たと思います。
結果は、いかがだったでしょうか。

昨日の富水は、中1の授業がありました。
1年生は初めての内申です。
「(仮成績より)上がった!」、「下がった。」、「お前5あった?」、「2あった?」、「4が○個あるじゃん。」などと盛り上がっていました。
たぶん、1年生達はそれで終わりだと思いますが、保護者の皆様としては、その結果が良いのか悪いのかが気になるところだと思います。
そこで今回は、その内申だと『どこの高校に行けるのか』を、ズバッとお伝えしようと思います。

ただ、神奈川県の公立高校入試に関して、何もご存知無い方もいるかもしれませんので、先に補足をしておきます。
公立入試は、内申だけで決まるわけではありません。
内申以外に、学力検査や面接なども総合して合否が決まりますので、あくまでも目安、参考として下さい。
それから、紹介する数値ですが、これは、現時点で私が確認することができたデータの平均値を使用しています。
もし、お手元に何か資料がある方は、その数値とのズレがあるかもしれません。
その場合には、お持ちの資料を信じていただければと思います。

公立高校の内申合格者平均

小田原周辺の高校の合格者平均、今春の結果は下記のようになっていました。
 *表記の説明は最後に書きます。

内申の目安が5と4だけの高校

 O田原・・・127(42.3),オール5に4が2つ
 H塚K南・・・122(40.6),オール5に4が4つ
 Z間・・・114(38),オール4に5が2つ
 H野・・・114(38),オール4に5が2つ
 S湘・・・111(37),オール4に5が1つ
 I志田・・・106(35.3),オール4

内申の目安が4と3だけの高校

 O磯・・・104(34.6),オール4に3が1つ
 H野S屋・・・96(32),オール4に3が4つ
 A柄・・・93(31),オール3に4が4つ
 A木北・・・89(29.6),オール3に4が3つ
 I勢原・・・88(29.3),オール3に4が3つ
 T浜・・・87(29),オール3に4が2つ
 Y北・・・83(27.6),オール3に4が1つ
 Cヶ崎N浜・・・79(26.3),オール3
 N宮・・・79(26.3),オール3

内申の目安が3と2だけの高校

 H野S合・・・77(25.6),オール3に2が1つ
 O田原東B科・・・77(25.6),オール3に2が1つ
 O田原東H科・・・76(25.3),オール3に2が1つ
 Y田島・・・72(24),オール3に2が3つ
 O田原J北・・・67(22.3),オール3に2が4つ
 H塚S風・・・65(21.6),オール2に3が4つ

S湘高校を例に数値の説明をします

S湘は、『111(37),オール4に5が1つ』と書かれています。

まず最初にある『111』についてです。
これは、公立入試の合否を決めるS値というものに換算する前の値です。
公立入試に使われる内申は、『中2の後期』と『中3の11月の内申』です。
このうち、中3のものは2倍されます。
したがって、オール5の生徒の内申は、中2が45、中3が90となります。
つまり、満点が135点ということです。
この高校の合格者の平均は、135点満点中で『111点』だったということになります。

次にカッコ内にある『37』についてです。
今の時期の中3なら、135点満点の数値の方が分かりやすいと思いますが、それ以外の生徒や保護者の方は分かりにくいのではないかと思います。
この37という数値は、1回の内申点の合計です。
つまり、オール5なら45、オール4なら36、オール3なら27になります。
この高校は37なので、この学校に合格した生徒達の半数以上は、オール4以上の成績であるということが分かります。

最後は、『オール4に5が1つ』についてです。
これは、カッコ内に書かれている数値を取るための目安です。
オール4に5が1つとは、例えば、英語だけ5で残りの8教科は全て4とか、数学だけ5で残りの8教科は全て4という意味です。
もちろん、英語と国語が5で数学は3、それ以外の6教科は全て4という取り方でも、合計は37になります。
もう少し違う見方をすると、もし2が3つあるとそれ以外の教科が全て5でも合計は36にしかならないなので、この高校に合格するには大変だということになります。
まあもっとも、このレベルの学校を受けようという生徒が2を取るようなことはないので、あくまでも違う見方ということです。
また、さらに違った見方をすると、実技科目は苦手だからと実技科目が全て3だった場合、英国数理社の主要5科目全てで5を取らなければ、37には届かないといったことも分かります。

内申やテスト結果は、良い悪いという感覚で判断せず、目標とする数値に届いたか届いていないかで見る

感覚なんてあてにならない

生徒本人も含め多くの保護者の方は、子供達が小学生のときに通信簿を見て受けた感覚と今回とでは、感じ方が違ったのではないでしょうか?
小学生の通信簿にある落とし穴』で、○には4と2が含まれていると書きました。
今まで○だった評価が、4となった生徒、3となった生徒、2となった生徒がいます。
それぞれで感じ方は違うでしょうが、きっと一番ギャップがあるのは、3に対する感じ方ではないでしょうか?
小学生の○と中学生の3、これらはどちらも段階評価の真ん中なのですが・・・。

小学生の通信簿にある○、形式上とは言え3段階の真ん中の○です。
しかし、一般的には○△×の○、つまり本来は○が良いで△が普通で×が悪いとイメージがあります。
このため、○を見てまず普通とは思わないでしょう。
凄いとは思わないでしょうが、『比較的できている』などと思うのではないでしょうか?
少なくとも、『何だ○か』などと、ガッカリはしないと思います。

それに対し、中学生の通知票に書かれている3はどうか。
5段階評価の真ん中の数値です。
悪いとは思わないでしょうが、『比較的できている』とは思わないでしょう。
また人によっては、『何だ3か』とガッカリする人もいるでしょう。
この感覚のズレです。
小学生の通信簿が、○△×ではなく◎○△にしているのも、その感覚のズレを利用して誤魔化しているのではないでしょうか。
これについては、やはり以前『小学生の通信簿にある落とし穴』の中で書きましたので、ここでは細かく言いません。

数字は嘘をつかない

『数字は嘘をつかない』
正しい評価をするとき、感覚は捨てて下さい。
良いと感じようが悪いと感じようが、数字がすべてです。
合否を決めるS値、1ポイントでも低ければ負け(不合格)です。
みんな、目指す高校があると思います。
感覚で良いとか悪いとかではなく、目指す高校に必要なラインまで届いているのかいないのか、届いていないのであれば、それがあと何ポイントなのかということに目を向けて下さい。
そして、その足りないポイントを得るにはどうすればいいのかを考え、次に向けて動き出すことが大切です。

人が何かをするとき、私もそうですが、先入観や感情が入り、本来その物(数値など)が示すものとは違った何かが見えてきてしまうということがあります。
そうなると、失敗やミスをします。
ただ淡々と機械的にそれを観察、計算することで、本当の姿が分かります。
それをやっているのが、最近話題のAIですね。
彼らに感情はありません。
したがって、ブレやズレは非常に少ない。
見習いたいところです。
しかし、そのAIにも不得意なことはあります。
感情が無い分、彼らには生徒達の『伸び代』量ることは難しいでしょう。

テストの結果や内申が思わしくないと、つい感情的に怒ってしまったり、「勉強しなさい」と怒鳴ってしまう方もいるのではないかと思います。
しかし、それでは何も解決はしません。
AIのように冷静に分析し、原因を見つけ進むべき方向を示す。
そして、子供達が動き出したら「やればできるじゃないか」と、感情を込めて褒めてあげる。
道しるべまでは機械的に、その後は、よりヤル気を出させる(伸び代を大きくする)ために感情的に応援する。
これが、テストが終わった後や内申が出た後にやる、ベターなことではないでしょうか。