神奈川県公立高校入試は比較的時期が早く、第3回テストが終わってから本格的に取り組むことを考えるとたった約3ヶ月しかありません。全国的に見てもかなりの短期決戦型なんですね。

受検生の皆さんにとって、入試勉強の期間が短くて済むのはもしかしたら嬉しいことかもしれませんが、そんな短期間で神奈川県の理科を攻略するのは正直なかなか難しいと思います。

今回は、第3回テストが終わってから「誰でもできる」理科の入試対策をまとめていこうと思います。

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誰でもできる神奈川公立高校入試対策数学編

神奈川県公立高校入試 理科の特徴を知る

まだ入試問題をほとんど解いたことがない人がほとんどかと思います。でも、もしかしたら去年学校の先生に「これが今回出た入試問題だよ」と言われて解いた人もいるでしょう。

そのとき、「これなら僕(私)でもいけるかも!」と感じた人、多分それは間違いだと思います。これに関してはたまたま簡単な問題だっただけで、令和2年度入試に向けて、例年以上に心して対策しないととんでもないことになる可能性があります。

まずは敵を知るところから。神奈川県の公立高校入試理科の特徴をおさらいしましょう。

平均点は高いが得点はバラバラ

理科入試の得点分布

グラフは去年(平成31年度)の合格者平均点をまとめたものです。普通は平均点前後の人数が多くなるものですが、全体的に人数が散らばっていますよね?

これは、簡単だったからといって誰でも高得点を取れたわけじゃないということです。

キチンと対策をしていた人は超高得点を取りやすかった一方で、「どうせ理科は難しいだろ」と諦め気味だった人は簡単だったにもかかわらず取れなかったと予想出来ます。

知識を組み合わせる問題が多い

学校のテスト問題との大きな違いは、1問1答ではないこと。1問で2~3つの知識を組み合わせる問題が多く出題されます

後半の難しい問題だと1問を解くのに5~6個もの知識が必要になることもあるので、その分正解率も下がり気味です。

ちょっと勉強をしたからといって結果がすぐに出るわけではない、これがつらいところですね。何しろ必要な知識が1つでも欠けてしまうと間違えるので、知識が完全に埋まらないと正解になりません。

原理が分かっていないと解けない問題がある

例えば、昨年最も正答率が低かった問題の1つが電気の問題です。

電気の難問例

神奈川県は回路の問題が大好き

これ、みなさんたちと先生たちでは、180度評価が違う問題なんです。

みなさん受検生たちは「数字が何も書いてないのにどうやって計算すんの?」となりますよね。ところが、先生たちは「は?簡単じゃんこれ」という反応。頭の中でちょっと考えて答えが出るレベルです。

何が違うかというと、先生たちは回路の性質と電流の大きさが決まる原理を考えるのに対して、受検生のみなさんは「計算方法」をマスターしていても、原理を理解していないことが多いのです。

小学生の理科で電池と豆電球のつなぎかたを変えると明るさが変わるようすを習いました。実は、その程度の知識で解ける問題です。

このように、神奈川県公立高校入試の理科は原理を理解していることをチェックする問題がたくさん出題されます

計算問題はそれほど難問ではない

計算問題というとそれだけで難しく考えてしまう人が多いでしょう。実は神奈川県の公立高校入試で出題される理科の計算問題は、言うほど難しくありません

何か特殊な公式を使うわけでもありませんので、塾の裏技的な解法が通用しにくいとも言えます。

ただし、先ほど書いたような「原理」が分かっていないと計算に使う数字が分からなかったり、そもそも問題文中の数字が多すぎてどれを使うか分からなかったりするので、正解率は高くありません。

神奈川県公立高校入試 理科の対策法

結論から言ってしまうと、3ヶ月で全て対策するのは「無理」。学習する分野が多すぎて、入試に間に合いません。入試が半年先なら良いですけど。

そんな中でも、最大限結果を出すには何をしたら良いかをまとめてみましょう。

基礎知識定着を重視しよう

最も大事なのは、基礎的な知識を完璧に暗記すること。

「原理が分かってないとダメって言ったじゃん」と思われるかもしれません。それはそうなんですけど、原理だけで知識が無いのはもっと良くないんですよね。

要は、「文法は完璧だぞ!」と言っても単語を全然覚えていなければ英語は解けないとの同じ。考えるために必要な知識がそろって初めて考える力が活かされるのです。

例を挙げましょうか。平成27年度の問題で最も簡単な問題をピックアップしてみます。

簡単な問題例

フズリナがどんな生物か知っていますか?

この1問を解くために必要な知識を挙げていくと……

・示準化石と示相化石の区別
・恐竜・アンモナイト・サンヨウチュウ・フズリナが示す時代
・時代区分の知識

正解は2なのですが、恐らくほとんどの受検生が「正確な時代区分の知識」は無いはず。まあ、「古生代」「中生代」「新生代」くらいは知っていますよね?教科書にはもっと詳しく書いてありますけど、それ以上は知らないでしょう(全然問題ありません)。

だから、他の1・3・4が間違っていることを確かめなくてはいけないのですが、そのために多くの知識が必要なんです。

問題が難しいからと言って、全然知識が無いにも関わらず過去問をやみくもに解いてもダメ。まずは教科書レベルの問題や一問一答でも良いですから、簡単な知識の問題を徹底的に演習して、定着させましょう。

実戦的な問題の考え方に慣れよう

キャッチボールだけやっていても野球は上手くなりませんから、当然本番を想定した実戦形式の練習もするはずです。だから練習試合とかするわけですね。

基礎知識だけで入試問題がどんどん解けるわけではありません。知識はあくまで解くための道具です。充分にトレーニングをしたら、入試の過去問のような実戦形式の演習をしましょう。

すると、定期テスト問題と根本的に頭の使い方や問題を読むポイントが違うことに気づきます。問題文中に書かれていることをマークしたり、図や表に書き込みをしたり、答えを求めるために何をしたらよいのかじょじょに慣れていくのです。

「知識はあるのに答えが出せない」という感覚を経験しておくことは重要です。理科が暗記だけでは解けない科目だと身をもって知ることで、問題に対する正しい向き合い方が出来るようになっていきます。

もちろん「知識はないけど答えられる」なんてことは絶対にありませんよ。

得点を取りやすい分野から取り組もう

理科は大きく分けると4分野×3学年=12分野です。

もちろん理想的には「全部の分野を完璧にしたい!」でしょうけど、たった3ヶ月間しかないことを考えると、ちょっと無茶な気がします。特に、苦手な人ほどマスターするのに時間がかかるので、なおさら厳しくなります。

そこで、優先的に勉強する分野を決めましょう。「得点が伸びやすい分野」をできるだけ先に勉強します

これは人によって得意・不得意があるのでコレ!と言えるものではありませんが、分野別に平均点を出してみると、ある程度「得点が取れる分野」が見えてきます。

次の表は平成30年度入試における、分野別の合格者平均点をまとめたものです。

物理分野化学分野生物分野地学分野
13.2点16.1点16.7点15.3点

これを見れば分かりますよね?そう、狙い目は「化学分野」と「生物分野」です。

この2つの分野、他の2つと比べると知識で解ける問題が多いのが特徴です。また、計算問題もある程度勉強を積めばパターンが見えてきます。ある程度勉強を積めば、ですけど。

まずこの2つの分野を年内のうちにタップリと演習し、年明けから残る2つの分野に取り組むのがオススメです。

1つの分野ごとに仕上げていこう

また、ひとくちに「化学分野」と言っても、3学年分あるわけですね。これをざっくりと全体的に勉強をしても、ほとんど成果は得られません。

例えばこんなふうに進めましょう。

まずは中1化学にターゲットを定めます。基礎問題をハイペースで解き込んで知識を定着させ、続いて実戦的な問題の演習をしていきます。過去問なら、中1化学の問題を探して片っ端から解いていきましょう。

こうして短い期間で1つの分野に絞って演習をすることで、その分野の考え方に慣れるのも早く、仕上がりやすくなります。解けるようになって自信が持てたら次の中2化学にターゲットを移す。こんなペースでやりましょう。

くれぐれも、その日の気分で「今日は過去問を1年分解こう」とか、「今日は生物の問題をたくさん解こう」とか適当な進め方をしないように気をつけて下さい。

まとめ

神奈川県の公立高校入試は理科に限らず全体的に難しいのは確かですが、焦らず知識の定着から実戦的な演習へ、という王道を歩んで下さい。

対策の方法としては特別なことは何も無く、誰でもできるやり方です。

やり方は「誰でもできる」のですが、やるかどうかは「誰でも」とはいきませんよね。

この記事を参考にすれば、ある程度効率良く勉強が出来ると思います。ですが、結局はそれを実践するかどうかなんですよね。

良いやり方を知っていてもやらなかった人より、どんなやり方でもたくさんやった人の方が当然成果は出ます。理科で良い点を取ろうという「欲」がどれだけ強いかが勝敗を決するんですね。

第3回テストが終わったらすぐにスタートを切れるか。それが勝負ですね。