読解力を上げようシリーズ。

これまでに書いた読解力アップに関する記事です。

小中学生の保護者必見!読解力をつけるための教科書活用術

国語指導の現場から 読解力のさらなる磨き方

今回は少し違った視点から読解力を見ていこうと思います。

読解力は理解力

言わずもがなかもしれませんが、読解力と何かを理解する力はかなり相関が強いです。

ある研究所の結果によれば、読解力の高い人はそうじて偏差値も高いという結果が出ているそうです。

で、読解力の高い人とそうでない人の差はどこにあるかというと、ことばを認知できる量にあるようなんです。

言われてみると、頭のいい人って長い話でも理解できていることが多いし、小説や映画のストーリーなんかもまるで目の前で見ているかのように説明できてしまうなんてことありますよね。

認知力が分かりやすく現れる場面

ある本で紹介されていたことですが、こどもの認知力をチェックするのにうってつけなのがノートの書き取りなんだそうです。

学校、特に小学校では先生が黒板に書いたことをノートに写す機会が多くあります。

ササッとノートを写せてしまう子もいれば、そうでない子もいる。

なんてことない日常的な場面です。

ですがそこに歴然としたことばの認知力の差が現れているんです。

ノートを素早く写せる子は、黒板に書かれていることばや先生が説明したことばを理解しながら自分のノートに写します。

だから、黒板をほんの数回みるだけでノートを写すことができる。

一方ノートを写すのが遅い子は、一回に認知できることばの量が少ないので何度も黒板をみてノートを写す。

だからノートを写すのが遅くなる。

遅いだけならまだしも、そういう子はたいていノートを写すことばかりに一生懸命になって、授業の内容が頭に残らないなんてこともありえます。

そこだけ切り取って、「おまえ、真面目に授業を受けてないだろ!」なんて責められたらやる気は一瞬で吹き飛びます。

もしかすると「授業が理解できない」と悩んでいるではことばの認知量に不足にはがあるのかもしれません。

書き写しでことばの認知量を上げる

オーソドックスな方法は「書き写し」。

新聞記事、教科書の文、など題材はそこまで重要ではありません。

文の種類よりも習慣的にやることが大事です。

そしてできる限り速く書けるよう意識すると良いです。

速く書くためには、その内容を理解しなければいけません。

ですが、理解を優先させるととたんにその作業が重くなります。

速く書くことを意識すれば無意識に理解力、理解スピードを上げるほうが長続きするでしょう。

そうやって継続して取り組める方が効果も安定します。

単語での会話にご用心

Lineやtwitterなど短文でのコミュニケーションが主流となりつつあります。

それにともなって実際の会話でも、単語だけで話したりするケースも増えています。

そうした会話が当たり前になればその分認知できることばの量も少なくなります。

教科書などの長い文を読むのが苦痛になったり、苦労してしまうでしょう。

そうなる前に、日常的な会話からできるだけ文で話すように心がけるのが手っ取り早い対処法かもしれません。

 

この記事を書いた人

陌間 和将
山王教室の責任者・国語の教科責任者を担当しています。
日常の授業を通して考える習慣を身につけてもらうべく、様々な仕掛けを凝らして授業をしています。