来週から市内の学校は通常授業に戻ります。
これまでの休校期間や分散登校期など家庭での勉強が大きなテーマとして上がりました。

どうやって勉強したらいいのか、効率がいいのか、その基準はないのかなどなど悩みはつきません。
結論から言ってしまえば、うだうだ悩まず勉強してしまうのが最高効率ですが、そうはいってもなかなか動けない場合もあるでしょう。
大いに気持ちはわかります。

そこで今回は勉強検定と称して、最低限外してはいけないポイントを勝手に作ってみました。
あくまで私の目線からこんな風に勉強出来ていれば結果が出せるよなと考えた結果です。
とはいえ、過去に見てきた生徒や自分自身の経験を踏まえているのでそこまでいい加減なデキではないはず?

ぜひ気楽に自分やお子さんが何級くらいか判断してみて下さい。

□勉強検定9級 机について、テキストを開く

超基本。
テキストを開かずに勉強はできません。
テキストは教科書でも問題集でもなんでもかまいません。
ようするに勉強道具です。

□勉強検定8級 問題を解く

これまた超基本。
勉強だっていってるんだからこれぐらいやって当然です。
勉強しようとするだれもが一瞬で過ぎ去る級ですね。

□勉強検定7級 答え合わせをする

このあたりからアヤしくなり出すひともでてきます。

勉強が苦手、嫌いという人は
「勉強する=問題を解く」
完結してしまっている場合が多いです。

ただいうまでもなく問題を解くだけでは力はつきません。
問題を解くのはあくまで自分の理解度を試すため。

○ならば自分の理解は正しく
×ならば自分の理解は間違っていた、足りなかった

ということが分かるわけです。

□勉強検定6級 間違えた問題の答えを書く

さてここからは解き直し方で級を分けます。
おそらく勉強に自信を持っている人とそうじゃない人の分かれ目がこの級です。

答え合わせをしたあと「解き直してごらん」と言われ、答えを写して終わった場合は7級です。

この級にとどまっているひとは「勉強=作業」で止まっています。
答えを写したところで身につくものは何一つありません
間違えた問題をどう活かすか、を考えるのがランクアップのカギです。

□勉強検定5級 間違えた問題の解説をみる

この級くらいから勉強中級者の称号が与えられてもいいでしょう。
なにしろここからはかなり根気がいるからです。

間違えた問題に対してはもう一度考え直すのがもっとも効果的です。

そのとき助けになるのは解説。
どうしてその答えになるのか、どこにその根拠があるのか等の説明をみて理解します。

ここがなかなか大変で、それゆえにここで脱落してしまう人も多くいるでしょう。

というのもここで立ちはだかるのが

「解説が理解できない」という壁。

勉強を人並みにやったことがあるだれもが一度はぶつかるであろう高い壁です。

分からないから解説を見ようという発想はとても良いのですが、見てわからなくてあきらめてしまえば中級者どまり。
質問できる相手がいるなら、せめて解説の解説をしてもらうとよいでしょう。

ただし、人に頼ってばかりでは先にすすめません。
頼ってばかりいるとテストなど、自分の実力のみで戦わなければいけない場面で実力を発揮出来ません。

ランクアップのポイントはその解説が分かるようになるにはどうしたらいいか考え、行動することです。

□勉強検定4級 間違えた原因を考える

解説をみても納得がいかない、理解が出来ない。
そんなときはその原因を探ります。

例えば解説にある用語が分からない場合、これは単純に知識不足です。

あるいは解説に載っている手順が分からない場合、こちらは理解不足です。

その他、間違いには様々な原因があります。
そんなときは教科書やプリント、ノートなどを見返し自分に足りていないものを探っていけばいいでしょう。

正解のきっかけを教科書やプリント、ノートに見つけたらすかさずマークをしておくとあとで見直すときに便利です。

それぐらいの気が利くようになったら勉強上級者への道もかなり近づきます。

□勉強検定3級(飛び級可) 間違えの原因をまとめる

自分の不足していた知識や理解が見つかったらまとめておくのもよいでしょう。
どんな知識も見つけたときはそのインパクトが強く残りますが、長く記憶にとどめるには整理が必要です。

例えば歴史の勉強をしていて、大宝律令の制度が分からなかったとします。
つぎに教科書などを調べ、制度について理解をしました。
そしたらその制度についてノートなどにまとめ直しておくといった具合です。

「まとめる」というのがポイントで、「写す」ではありません
自分なりに考えて、ことばの表現を変えたり、図を参考にして自分でアレンジしたりなど工夫をこらしましょう。
写すだけだったらスマートフォンで撮ればいいわけですから、わざわざ時間をかける必要はありません。そして記憶にもあまりのこりません。

ただ「まとめる」勉強は理解しやすい一方で時間がかかる、まとめて満足して終わるという諸刃の剣。なので飛び級可としました。

□勉強検定2級 間違えた問題を解き直す

ここまでの過程を越えてきたならば、あと必要なのは仕上げです。
原因を探り、ヒントをみつけ、理解を深めたなら次にすべきは理解したとおりに解けるかのチェックです。

ここは自分との戦いです。
本当に分かっているのか、自分を疑ってかかりましょう。
このランクまでくれば、もはや先生を自分の中に飼っているレベル。
自分一人でも結果を残せるほどの勉強上級者です。

それでも何か1つ、足りないとしたら・・・

□勉強検定 免許皆伝 たくさん問題を解く

最後の最後にして超基本にもどります。
結局のところ、ここに落ち着きます。

「え、たくさん問題といてるから免許皆伝じゃんやった~」と浮かれないで下さい。
ここまで書いた過程をクリアした上で多くの問題に取り組めてこそ本物です。

とはいえ、問題をたくさん解くことは否定しません。
それは大事なことです。
でも勉強量に対して結果が見合わないなと感じるときは、勉強検定9~2級のどこかでつまっているのかもしれません。
そんなときは自分と向き合って何が足りないのかを考えて少しずつランクアップしていきましょう。

あるいは自分がしている勉強ランクが低かったとしてもがっかりしないで下さい。
それはあくまで今の状態を表しているだけです。
ランクアップのポイントは各所に書いたつもりです。それをヒントにランクを上げて、身になる勉強をしていきましょう。

この記事を書いた人

陌間 和将
山王教室の責任者・国語の教科責任者を担当しています。
日常の授業を通して考える習慣を身につけてもらうべく、様々な仕掛けを凝らして授業をしています。