神奈川県公立高等学校入学者選抜まで、あと12日となりました。
1000日間の努力が、いよいよ結果として出ます。

5科の勉強はもちろんですが、面接の準備はできているでしょうか?
この最後のワンピースも、忘れずに十分な準備をして下さい。
ここまで何度か、面接点の重みを訴えてきましたが、今一度それについて書きたいと思います。

公立入試のシステム

公立入試の合否は、S値で決まります。
内申、学力検査、面接、これらを1000点満点の数値に変換したものがS値です。
3項目の配分は、各高校で決めることができます。
この配分、最も多くの学校が採用しているのが、バランス型とよばれる4:4:2です。
我々がいる旧県西地区などは、小田原高校以外の全ての学校がこの配分です。
内申が400点、学力検査が400点、面接が200点の合計1000点です。

学力検査は、英国数理社の5教科なので、500点満点です。
それを400点に変換するので、テストの得点に0.8をかけたものがS値です。
面接は、100点満点です。
これを200点に変換するので、面接の得点に2をかけたものがS値ということです。

面接点の影響力

以前、中堅クラスの学校とそれよりも下の学校について、実際に生徒達が取っている点数を見ると、実は配分以上に面接点が多くの割合を占めているということを書きました。
今日は、上位校ではどうなのかということを書いておこうと思います。
旧県西地区、小田高以外が4:4:2です。
この配分を採用している高校の中で最上位の学校は西湘高校です。
では、西湘に合格した生徒達の内訳はどうなのか、それを見ていきたいと思います。

昨年は、学力検査の平均点が約330点、面接の平均点が約76点でした。
これらをS値にすると、学力検査が264点、面接が152点です。
1.73・・・倍です。
学力検査と面接は4:2なので、配分だけを見ると2倍のはずですが、実際に生徒達が取っているS値は1.7倍なのです。
つまり、パッと見の配分よりも、やはり面接の点数が多くの割合を占めているのです。
そう、実は、中堅からそれより下の学校だけではなく、西湘のような上位校でもこの様な現象が起きているのです。

生徒達の様子を見ていると、5科の勉強をしている量と面接に対しての準備は、正比例していることがほとんどです。
真面目に勉強している子ほど、面接の準備も抜かりが無いということです。
だから、以前面接点が目には見えない大きなウェートを持っていると書いた時には、注意喚起のために比較的勉強量の少ないと思われるレベルの学校の話を書きました。
しかし今回は、上位校を目指している生徒達で、勉強面で苦戦をしている子達に向け、このワンピースの話を書こうと思いました。

私が確認した中での面接点での差は、最大差で15点でした。
100点満点で15点なので、S値にすると30点ということになります。
このS値30点を学力検査の得点に変換すると『37.5点』です。
ここまで勉強をしてきた3年生達なら、学力検査で37点上げる、同じ高校を受けるライバルに対し学力検査で37点差をつけることの難しさは分かると思います。
それだけの差を面接でつける・つけられるということが、起こりうるということなのです。

模試で、常に300点以上の得点が取れている生徒は、仮に内申が悪く一次選考でダメだったとしても二次選考で何とかなるでしょう。
しかし、そうでないという生徒は、最後のワンピース面接、ここも最後の最後まで準備をして欲しい。

面接に向けての準備

面接は、何が質問されるか分かっています。
神奈川県のホームページで公開されています。
何が出題されるか分からない学力検査とは違い、誰でも的確な準備ができます。
そこで、怠った者とそうでない者との差が、西湘くらいの学校でもこれだけつくのです。

面接は、自分という商品を売り込む場です。
各質問項目を通して、自分という商品の良いところを余すことなくアピールして下さい。
相手に、『この生徒ぜひうちの学校に入学させたいな』と思わせるようなアピールをして下さい。
その為には、先ず自分の姿を見て下さい。
自分の面接練習をスマホなどで撮影して、自分で確認して下さい。
その映像を見て、『この生徒ぜひうちの学校に入学させたいな』と感じなければ、相手も感じません。
まして、自分のその姿を見て『よくない』と感じたなら、相手はそれ以上に『よくない、ダメだ』と感じます。

相手は、君のいいところを引き出してはくれません。
自分から伝えなくては終わりです。
例えば英検、せっかくこれを3級まで取っていたとしても、相手がわざわざ「君、英検とか何か検定は持っていますか?」などとは聞いてくれません。
自分から、『何故その検定を受けたのか』『その為にどの様な努力をどれだけしたのか』、そして、ただ合格しましたではなく『それを通して何を学んだのか』そういったことを伝えて下さい。
他の人にはない結果や努力、それが君という商品の付加価値です。

悔いを残さないように

1000日間、この日の為に積み重ねてきたはずです。
あとたった12日間です。
勉強も面接も、やれるだけの事をやり尽くして下さい。
後悔先に立たず。
1000日間戦い続けた自分に、心から「お疲れ様。よくやったな。」と言えるよう、残された時間を過ごして下さい。