いざ板橋

2週間前、板橋教室で『夢発表』というイベントを行いました。
富水教室の生徒達からすると、少々遠い場所での実施ではありましたが、うちの中3には『全員参加』を命じました。

差、つくんです

このイベント、『公立高校入試』に関係があります。

神奈川県の公立高校入試が大きく変わり始め、数年が経ちます。
皆様ご存知のように、今の公立入試では、全生徒が『面接』を受けなければなりません。

この面接、高校によって取り扱いのされ方が大きく異なります。
学校によっては、100点満点で50点60点と差がつく学校、ほとんど差がつかない学校とあります。
ただ、ほとんど差がつかない学校とは言え『差はつきます』し、それにより『合否が左右される』ということはあります。

やれるだけ

昨年、私はある生徒に対して、全力で面接の対策を行いました。
その生徒が受けた高校は、面接でほとんど差がつかないとされる学校です。
しかし、その生徒は、この面接も合否に大きく影響したと思います。

公立入試は、『内申』『学科』『面接』をS値というものに換算して合否を決めます。
内申と学科の合計ではこの生徒より高かった生徒が不合格になり、うちの生徒が合格できました。

ギリギリの勝負と思っていたので、面接試験の前日は、日が変わるまで面接練習を行いました。
『あと1日、もうできることは明日の面接への練習だけだ』と言い聞かせ、やれるだけのことをやって送り出しました。
もちろん、合否決定には『1次選考』と『2次選考』がありますので、うちの生徒がどちらで通ったのかは分かりません。
しかし、2次選考でパスできるほどの得点ではなかったと思います。

面接への準備

公立入試の面接、お行儀良く行って帰ってきただけでは0点だと思って下さい。
しっかりと自分の考えを伝えてこなければなりません。

私は○○に興味があるので、将来は○○のような仕事に就きたいと考えています。
それには、大学の○○学部(○○の専門学校)で、○○について学ぶ必要がある考えています。
だから、高校在学中には○○の知識を深める必要があるので、○○の勉強に力を入れている○○高校で、○○の知識を深めたいと考えています。
その為に、中学時代はその土台作りをしなければいけないと考え、○○の勉強は他のどの教科よりも力を入れて進めてきました。
また学校以外では、学校では学べない○○に取り組んできました。
もちろん、将来○○になる為にです。
これは、高校生になってからも継続します。
ただし、同じことはやりません。
高校生ですので、それまでよりも質を上げ、○○にも挑戦していくつもりです。
夢を現実にする為に、私は○○高校へ進学したいと考えています。

面接には、上記のようなことを『言えるような状態』で行かなければなりません。

この様な内容、事前準備無しではとてもできません。
変な話ではありますが、先ず原稿を用意し、それが嘘や作り物だと思われないよう、スラスラと話せる練習をする必要があります。
途中でつっかえたり、上の方などを見て「え~っと」などと言ってしまえば、『この子は予め用意した原稿をただ暗記しただけだ』と見破られてしまいます。
また、仮に原稿を完璧に覚えたとしても、最初から最後まで自分のペースで話せる訳ではありません。
面接官から質問された内容に対して、用意した原稿の中から該当する部分をピックアップして話さなければなりません。
その際、いくつかの質問に対して、つじつまが合わなくなるような受け答えをしては終わりです。

同じレベルですから

面接で差がつかない、つきにくいというのは、ある意味当然です。
同じ高校を受ける生徒達です。
勉強に対するモチベーションや事前準備は、ほぼ同じくらいであると考えた方がいいでしょう。
同じレベルの生徒達が、同じように面接に向け準備をするのですから、むしろ、そこで何十点も差がつく方がおかしいはずです。
大きく差がつくというのは、『面接なんて』と面接を馬鹿にして事前準備を怠ったということでしょう。

練習あるのみ

エコール学院では、入試対策の一環として『面接対策』も行っております。
しかし、例年の生徒達を見ていると『将来の展望がない』『緊張して何も話せない』といった状況の生徒が多くおります。
過去には、小田原高校に合格した生徒で、『わたし面接練習できません』と泣きながら教室の隅に座りこんだ子もいます。
それまでは、まったく手がかからない子だったので、『えっ、ここで躓くの?』と驚きました。
改善策としては、『事前に自身の将来を考える』『人前で話す練習を繰り返す』これしかないと思います。

そのいい機会の1つが、『夢発表』のようなイベントです。
毎年必ず実施するイベントではないので、本当は中2の生徒も舞台に立たせたいという思いがありました。
しかし、今回は定期テストから日が少なかったので、3年生だけ参加させました。

チャンス

人前で自分の意見を発表するという機会は、なかなかありません。
次回、この様な機会があれば、学年問わずドンドン立候補して欲しいと思っています。
『本人の意思に…』という方がいらっしゃるかと思いますが、保護者の皆様が背中を押してあげて欲しいと思います。

大人でもそうですが、火中の栗を自ら拾いに行く人間はいません。
ましてや子供、将来の自分の為になどとは考えません。
子供達の将来を見据えて判断できるのは、我々大人だけです。
必要だ大切だと判断したのであれば、『やらせる』それが彼等の為になります。

チャンスは、いつでも訪れる、誰にでも訪れる訳ではありません。
その貴重なチャンスを、手にすることができるかできないかは、チャンスが来たときにいつでも行動を起こせるよう、常に意識しているかどうかにかかってきます。
またの機会、次の機会などと言っていては、チャンスを手にすることはできません。
もう二度と来ないかもしれません。

自分を愛するなら

中2は1年後、中1は2年後に本番(入試)がやってきます。
公立入試の面接の為に、将来の展望、大学では、高校ではといったことを考えておいて欲しいです。

入試の為にとは言いましたが、これは、実際生徒達の将来の為になります。
何となく過ごした今の積み重ねの先に将来があるのではなく、輝く未来の為に意味のある今を過ごさなければなりません。
未来を想像し、その為にいついつまでにはこのハードルをクリアしなければならない。
その為には今何をやらなければならない。
それが、たった1度しかない大切な人生を充実したものにするための方法だと思います。
クラーク博士の有名な言葉に『Boys be ambitious!(少年よ大志を抱け)があります。』
大きな夢を持ち、その夢に向かい、全身全霊で邁進していってもらいたいと思います。

この記事を書いた人

山田 明史