文房具屋へ行くと、実にたくさんのノートがあります。大人用や中高生用、小学生用など色々とターゲットが分かれています。

ところでノート選びってどうやっているんですかね?大半のご家庭では保護者の方が買ってきたノートを使っているパターンみたいです。

定番のキャンパスノートなどは5冊セットになってホームセンターでもドラッグストアでも買える時代です。あれ、本当に安いからいいですよね、使いやすいですし。

しかし、ベストではありません。

今回は、理系の講師として数学や理科の学習にジャストフィットするノートを1つ、全力でオススメしたいと思います。文具マニアとして独断と偏見だけで選んだ1品です。

数学や理科は5mm方眼ノートがオススメ!

結論から言ってしまうと、数学や理科の勉強には「方眼ノート」がベストだと断言します。

ノート=大学ノートと言っても良いくらい普及している、横罫線のノート。ここ10年で色々な機能がついたものが増えました。

その中でも圧倒的に使われているのが「ドット入り」ノートです。横罫線に等間隔の点がついているのですが、爆発的に普及しましたね。ただ点がついているだけなのですが、縦のラインをそろえることができるため、ノートをきれいに取りたい派の子から圧倒的な支持を受けました。

ドットノート

これぞ現代のスタンダード

ですが、1行の幅がぴったり1cmや5mmではないので、図が書きやすいものの、長さを再現するのが少々面倒です。

また、分数のような1行で収まらない文字を書くのもやや苦手。まあ、分数が異端と言えばそれまでなんですが……

1行を2~3等分する薄い線が入っているノートも人気です。「Logical」シリーズに代表されますね。特に理数系向けのシリーズは、1行を5等分する細かい点線が入っているため、圧倒的に図が書きやすいんですよね。

こうしてみると無敵感が漂っていますが、大きな問題もあります。線が多すぎて、肝心の文字がスッキリ見えません。線が全部青いので、方眼紙に書いているような感覚ですね。慣れてしまえばなんとも思わないのですが。

また、8mmごとに青い線が太くなっているため、小学生の算数ノートを彷彿とさせます。小学生から上がったばかりで小さい文字が書けない中1生あたりには良い感じ。一方中学生も高学年になると文字と罫線の間隔が合わなくなってくる子が増えると思います。

で、5mm方眼ノートですね。

先ほど書いた小学生の算数ノートも5mm方眼ではあるのですが、1cmごとに太い線があって、否が応でも意識させられます。私のオススメする5mm方眼は、太い線が全くない、薄いグレーの線のみで書かれたノートです。

実例の画像をぺたっと貼ってみましょう。

方眼ノートの実例

このあとこの解説は生徒へプレゼントしました

方眼ノートが数学や理科に適している理由

図が書きやすい

方眼なので、図の書きやすさはピカイチ。方眼の線も薄くて細いので、シャーペンで書いた線を邪魔しません。

そして、大きなメリットが1マス5mmであること。2マスで1cmですね。単純な図形を書くなら定規で長さを測る必要すらありません。

ノートに図を書いた

こんな図が簡単に書けます

8mm方眼の弱点はまさにコレで、5cmの線を書く、なんていう単純なものであっても定規のメモリが手放せません。私がロジカルシリーズにハマり切れなかった原因でもあります。あ、ちゃんと色々試しているのですよ、過去に。

表が書きやすい

そりゃマスですから、表なんて線を書く必要すらないですよね。まあ書きますけどね。

表に関しては、普通のノートでも書くのはそれほど面倒ではありません。だから言うほどメリットにはなりませんね。

縦にそろえやすい

数学の途中式を書いていると、縦にビシっとそろっていることの価値が分かってきます。方眼は縦にも線が入っているので、そろえることはとても簡単です。

むしろそろえずにはいられないと言っても過言ではありません。これを無視してウネウネずれまくった式を書いている人はよほどアンテナの感度が低いとしか言いようがありません。

分数が混じっても書きやすい

普通のノート最大の弱点が「分数が書きづらい」こと。1行では狭いし、2行だと広すぎるし、どうにもしっくりこない経験をした人も多いのでは無いでしょうか。

5mm方眼の場合、行のようなはっきりとした線がないので分数を好きなように書けます。下の実例を見てもらえばわかるでしょう。

分数のレイアウト例

分数の式も違和感なくスラスラ書けます

実はフリーレイアウト

分数を最も書きやすいノート、それは「自由帳」なんです。何しろ白紙ですから、行の幅なんか気にすること無くいくらでも分数を書き放題。

しかし自由帳には全く線がないので、自由に書ける反面、全くそろえて書けないんですね。

わかりやすいのが、学校の黒板。素人が書くと、ほぼ全員が斜めになります。罫線がない自由帳と同じレイアウトだからです。そう考えると黒板にきれいな板書を出来る先生って神業ですよね。

5mm方眼ノートは、太い線が無いので線を外れても気になりません。だから分数を書きやすい。それでいてどこでも常に線があるので、自由に書いても曲がったりせず、きれいにそろう

自由帳とノートの良いとこ取りをした最強ノート、それが5mm方眼ノートなんです!(必死)

オススメの方眼ノート

世の中にはノート派とルーズリーフ派がいますので、どちらも紹介しておきます。ちなみに私はルーズリーフ派です。比較的几帳面な方なので、ちゃんと科目別に分類してファイリングしていました。ズボラ派はノートを使うべし。

キャンパスノート(方眼罫)

5mm方眼ノート界隈随一のイケメン。何はともあれこの見た目の格好良さに魅力を感じない人はいないのではないでしょうか。男子ならきっと分かってくれます。

冗談はさておき、キャンパスノートは質と価格のバランスがとれたベストセラーなのですが、その品質をさらに高めた「大人版」のノートなのです。

大人版と言っても、中高生が数学を勉強するノートとして最適ですので、全力でオススメします。というか大人だけに使わせてるにはもったいない。

ネックはその価格。やはり大人向けだけあって一般的な5冊セットのキャンパスノートとは価格も別格です。でもしょせんはノートですのでバカみたいに高いわけではありません。投資する価値は充分にあるといえます。

もう1つデメリットとしては、黒いノートはデスノートぽくってルックス抜群ですが、黒でタイトルや名前を書いても全く読めません。名前を書くのに白いマーカーなどが必要になる点は結構痛いかもしれませんね。

マルマンルーズリーフ(方眼罫)

マルマン ルーズリーフ

古い私物なので今とデザインが違うかも

ルーズリーフ派の人はこちら。ノートのように大人版ではありませんが、どうせルーズリーフに表紙などありませんので、問題ありません。

ちなみに100均にも同じ5mm方眼デザインのルーズリーフが存在しますが、実際に書いてみると書き心地が全く違います。ペン先の引っかかり具合と滑り具合のバランスが絶妙ですので、1パック200円ですがこちらを選びましょう。

キャンパスルーズリーフ(CHO-BO PAPER)

高級ルーズリーフ

ただのルーズリーフの分際で存在感が凄い

私が好んで使っているのが、厚手のルーズリーフです。パッケージに漂う隠しきれない高級感がたまりません。

基本的に普通のルーズリーフとデザインは同じ。しかし紙の厚さが1.5倍ほどあるので、裏移りしないのが特徴です。ペラッペラのルーズリーフだと、蛍光マーカーすら透けて見えてしまい、たいへん見苦しいですからね。

そして見た目の高級感通り、値段も大変高級です。なんと通常のルーズリーフの約2倍

さすがに中高生にすすめるには忍びないので、大人が使うべき5mm方眼ノートといえるでしょう。よい道具にはお金を惜しみなく出すような人、例えば塾の先生にフィットすると思います。

まとめ

科目に合わせたノートを使うと勉強が捗ります。特に途中式、図、グラフ、表など色々なものを書かなければいけない数学の勉強をするなら、普通のノートと5mm方眼ノートでは書きやすさと見やすさに天と地の差があります。

実際に使えばその良さに惚れること間違いなしでしょう。その後も積極的に使い続けたくなると思います。

問題は保護者の方がノートを選んでいる場合。子どもが使いやすいことを念頭に選んでいる人は食いつくと思いますが、「定番ならいいでしょ」「安いからいいでしょ」「何でもいいでしょ」という考え方でノートを選んでいるなら、この素晴らしいノートには見向きもしないと思います。

私は勉強にしろ何にしろ、「形から入る」のが良いと考えています。上手い人の使っているものと同じモノを持つのは、それだけでモチベーションアップにもなりますからね。

数学や理科を教えている専門家の私(妙に偉そう)が実際に使っていて、オススメをしているノートです。まずは形からまねてみてはいかがでしょうか。

道具の大事さについて、個人ブログに記事を書いていますので、よければあわせてご覧ください。

私が文具にこだわる理由 初心者は良い道具を使え!

この記事を書いた人

富田 靖之螢田教室・板橋教室責任者
指導歴20年の理系担当講師。
Twitter始めました。ブログは長文、それ以外はTwitterで情報を発信していきますので、よろしくお願いします。