他の教室はとっくにテストが終わって結果も出ていますが、僕の担当する2教室はたまたまどちらも試験日程が遅く、つい先日終わったところです。

その中でも、一足早く螢田教室のテスト結果が出そろいました。

初めてテストを受ける中1生はともかく、中2生や中3生は全員上がるだろうと予想していましたが、予想を上回る、全員入塾以来の自己ベスト更新という鮮烈な結果を残してくれました。

いやはや、努力を重ねた生徒たちには頭が下がります。試験勉強をしたのは彼ら自身ですからね、僕はアドバイスと質問対応しかしていませんので。

そして、僕が重要視していたハードルを越えたことに、大きな賛辞を送りたいと思います。

「中1最初のテスト結果=自己ベスト」になりやすい

そのハードルとは、「中1最初のテストの結果」を越えることです。

多くの中学生が、中1最初のテストが自己ベストのまま終えることになります。実際にかつて指導していた生徒も、多くの割合で自分自身が築いた壁を越えられませんでした。

なんで中1最初のテストは高得点が取れるの?

中1最初のテストはいろいろな意味で特別です。本人の実力以上の得点が取れてしまうことが多々あるのです。

簡単だから

そりゃ中1の最初ですからね。(かつて)英語はアルファベットから始まって日常的によく目にする単語を少々覚え、簡単な会話表現だけ覚えれば軽々高得点が取れてしまいました。

今は教科書が猛烈に難しくなったのでそうではありませんが。

数学もだいたい目にする問題はワンパターン。的を絞りつつ大量の演習をしていけば、条件反射で答えられるレベルになります。

これは今もあまり変わっていません。

範囲が短いから

中1の最初は(かつて)授業の進度がゆるやか。そもそも入学して2週間はまともに授業が進みませんので、必然的に範囲も短くなるってもんです。

今は教科書の内容量が多くなったので、のんびりやっていたら終わりません。けっこうキチンと進める学校が増えた印象です。

科目が少ないから

いきなり9科目フルでやる中学校も無くはないですが、多くの中学校は主要5科のみです。

第2回テストで一気に科目が増えると「こんなはずじゃなかった」というアカンことになりがちですが、最初のテストはたっぷりと時間を使えるので結果も出やすいですね。

長期間準備をするから

色々と細かく書くとマズいことがあるのであえて後ろに持ってきましたが、中1最初のテストに向けて多くの学習塾が大量の演習と長期の準備期間をひっさげて取り組みます。

過去問や予想問題もてんこ盛り。基本的に満点を、最低でも9割以上を狙わせて仕上げていくのです。

なぜかって?それが宣伝文句になるからです。

ちょうど今くらいの時期は、「塾生の半数以上が9割越え!」とか「満点連発!」とかの謳い文句を目にすると思います。

第2回テストのあと同じ宣伝文句を並べているかどうか、追いかけてみると良いと思います。学校の平均点も第2回になると急落しますが、いったいなぜでしょう?

単純です。第1回テストほど準備期間が無いからです。

だから最初のテストだけ突出して良い点が取れてしまい、結果的に自己ベストになり続けるというわけです。

欲しいのは中1の成績より中2・中3の成績

そうはいっても、点数が悪いよりは良い方がいい。当たり前ですよね。

しかし、中1の中盤になってくると徐々に得点が下がり、気がついたら平均点を切っていた……なんてことがよくあります。

最初だけ良くても、下がってしまっては全く意味がありません。

中1は修行の期間

神奈川県の場合、中1の成績は入試に関係ありません。ある意味失敗が許される時期でもあります。

この時期はトライ&エラーを繰り返すべきだと思います。

定期テストのたびに「こんな準備をしたらいいかな?」「ここを覚えた方がいいかな?」「この部分を繰り返したらいいかな?」という工夫をしてみるのです。

また、テストの結果を元に、何が足りなかったのか、次回に向けて早めに取り組んでいきたい点は何か、反省を積み重ねていくことで、徐々にテスト勉強のコツを身につけていけるのです。

そんな重要な時期に、全部僕たち塾側がお膳立てをしてしまうとどうなるか。

自分ではどう勉強したら良いか分からないけど、とにかく塾の先生がくれるプリントをやれば得点が取れる。

まるで親鳥が餌を持ってきてくれるのを口をパクパクさせながら待っているだけのひな鳥のようです。

その状態は果たして実力がついてきていると言えるのでしょうか?

中2・中3が本番

中1は修行期間と考え、勉強方法をブラッシュアップしていく。すると中2になるころにはかなり勉強が上手になってきます。

中2や中3で次第に得点が伸びていきますので、中1のとき記録した得点などアッサリと更新できるようになるでしょう。

今回それを体現してくれたのが教室の生徒たちです。中2生・中3生全員が入塾以来の自己ベストを取ってきました

もちろん今回の反省点もたくさん見つかりますから、次回に向けてさらに勉強方法を磨き上げていきます。狙うは連続自己ベストでしょう。今から楽しみです。

僕らは彼らと一緒に反省点を考えます。次回にそれが改善できるようサポートをし、理解を助け、彼らの勉強を後押ししていく。時には塾の強制力をふるって勉強に向かってもらう。それが塾の役目だと思います。あくまでサポートなんですよね。

だから、今回自己ベストをもぎ取ってきたのは、紛れもなく彼ら自身の実力です。いやぁ、本当に今回は褒めてあげたい。

自学を鍛えて高校に備える

手取り足取り塾がプリントを与えて得点を取らせ、塾の持つノウハウをふんだんに利用して高校に合格させることはできます。

しかし、高校の勉強を手取り足取りサポートすることは不可能です。

科目数も多く、進度も高校によってまちまち、難易度も高い。いよいよ自分の力で突き進んでいかないといけません。

ここまでの中学3年間で自学を鍛え上げていれば、高校への準備が整っていると言えます。

ウチの高校生たちは自学を身につけた上で、勉強の助けになるツールや環境を利用し、高い意識をキープする声かけを受けているわけです。成績が上がっていくのはもはや当然と言えるでしょう。

今年も良いスタートを切れている子が多く、上位進学高に何とか合格した、という生徒でも下位に低迷して苦しむこと無く、むしろ最初から平均以上に位置しています。

ゴールを大学進学と捉えると、高校で上位にいることが必要。そのための勉強スキルを中学生活を通じて身につける

それはもう中1からスタートしているのです。

まとめ

勝って兜の緒を締めよ、ということで、今回は生徒たちを褒めつつも反省点をいつも以上に細かくあぶり出します。

正直得点が低いうちはひたすら問題を解けば解いただけ得点が上がります。でも、およそ8割~9割を越えるには、演習の質も上げていかなければいけません。ここからさらに点を伸ばすのは大変ですので、どんどん勉強を上手くなっていきましょう。

僕は正直あまり生徒をほめちぎることはしないタチですが、今回ばかりは彼らの努力を認めざるを得ない!ということでたまには内部の頑張りを紹介してみました。

この記事を書いた人

富田 靖之螢田教室・板橋教室責任者
指導歴20年の理系担当講師。
Twitter始めました。ブログは長文、それ以外はTwitterで情報を発信していきますので、よろしくお願いします。