中学3年生の夏休みは、やれ「受験の天王山」だの「勝負の夏」だの「まだ間に合う!(笑)」だの塾業界でも色々な表現をされます。

受験生に必要な情報は、そういった抽象的なキャッチフレーズではありません。夏休みには何をしたらよいか、具体的に知りたいはずです。

当学院の理科担当である富田から、中学3年生が夏休みにやるべきことを3つ、具体的にアドバイスさせて頂きます。

1.中3の教科書内容を予習する

ここ神奈川県では、近年公立高校入試の内容は非常にハイレベルでした。若干過去形なのが寂しいですが、昨年は謎の劇的変化を遂げてしまい、異様に簡単になりました。それでも50点満点時代の入試と比較したら圧倒的に難しいですけどね、受験生の意識が上がったのでしょうか。

そんな難しい問題を攻略するために必要なこと、それは「早く教科書内容を終わらせる」ことに尽きます。最低でも11月一杯で終わらせておきたいところ。それでも受験日の早い神奈川の場合、たった2ヶ月半しか残されていません。それがギリギリのタイミングでしょうね。

塾に行っている人

よほどとんでもないカリキュラムを組んでいる塾でも無い限り、ほぼほぼ11月末には教科書の予習が完了するはずです。

中には夏休みで中3内容を全て終わらせてしまう塾もあります。強烈に速い授業についてこられるだけの教育が行き届いていれば可能ですし、そこから入試対策をガンガン進められることを考えるとメリットは大きいと言えます。

ウチの塾のような中堅層の生徒が多い場合、そのペースで進めてしまうと総崩れになりますので、慎重に進めます。それでも11月中には終わる進度ですね。

注意したいのは個別指導の塾。塾長が全生徒を把握していたり、カリキュラムが塾側でキッチリ決められているところならば問題ありませんが、本人と担当講師任せになっている個別指導塾(レアですね)の場合、マイペースで進められてしまうと間に合いません。塾側にカリキュラムを問い合わせてみることをお勧めします。

塾に行っていない人

塾の助けが借りられないとなれば、自分でなんとかするしかありません。

上位校を受験したい場合は、教科書を読み、教科書に沿ったワークを演習することで基礎事項は自分で進められると思います。

裏を返せば、自分である程度教科書を理解出来る力がある生徒でないと、上位校に入学するのは厳しいと言えます。実際に、高校1年生の入学直後に「数学の最初の章(計算)は自分で進めておくように」と指示する高校もあります。これは高い自学力を求められている証ですね。

中堅以下の学校を受験しようとする場合はどうか。これは学校で習うのを待つしかありません。

だからといって手をこまねいて何もしないのではなく、既に習っている問題の入試対策演習を行っていきます。よほどノンビリやっている学校でも無い限り、中3理科は11月時点で残り1分野くらい(この辺の中学校だと「天体」ですかね)になっていると思います。

逆に言えば残り3つの分野はもう学習済みですよね。幸いにして神奈川県(に限らずだいたい全国)の公立高校入試は、複数の分野を組み合わせた問題は出ません。つまり、習った分野だけに特化して入試勉強を始めることが出来ます。

残る1つの分野はギリギリに集中演習するしかありませんが、その時点で他が仕上がっていればさほど大変なことではありません。というか、他を仕上げる方がよほど大変ですけどね。

2.中1と中2の基礎的な内容を復習する

理科って厄介な科目です。中1で勉強した内容と次にお目見えするのはなんと入試のとき。つまり、中1でコケると入試時期に知識ほぼゼロの真っ裸で臨まなくてはいけません。

また、中1のときある程度デキる状態だったとしても、2年間触れない内容は忘れます。それはもう記憶喪失かというほどに。

だから、ほぼ全員中1と中2の復習は必須と考えて下さい。

入試レベルはいらない

勘違いしていきなり入試問題を解いてはいけません。まず必要なのが、入試問題を解くための基礎レベルの知識です。

どの程度必要なのかというと、例えばこんなものはどうでしょう。

「光合成で出入りする物質を答えよ。」

これに対して「二酸化炭素を使って養分酸素を作る」という、4つの物質名が即座に答えられるレベルくらいです。正直、これは定期テストレベルですよね。

だから、定期テストが取ってある人は、それを一通りやってみるのもオススメ。もしそれで集中的に解けない分野が見つかったら、その部分のワークを徹底的に解き込む、という対策が効率的です。

全分野をおさらいできれば理想的ですが、時間的に難しいのが実際のところ。「チェック問題→苦手なところを演習」というルーティンが良いですよ。

基礎知識を軽視しない

2019年度入試、無双状態の難易度を誇ってきた神奈川県がご乱心、一転して簡単になりました。

このとき、簡単な問題になって得をしたのは誰か。それは基礎知識を積み重ねてきた上位層です。彼らからしてみたら、「何でこんな知識だけで解ける問題が出てるんだ。きっと何かウラがあるに違いない」と思ったことでしょう。ま、裏も何も無かったんですけどね。

反面、従来の難しさに若干諦めムードだった生徒たちは、肝心の基礎知識がおろそかなまま淡々と入試演習をしてしまったため簡単になったはずの入試で取りこぼしています。だから、下位層の子たちは簡単になった恩恵をあまり受けられていません。それは県が発表した得点分布グラフを見ても明らかです。

理科の問題は、知識だけでは取れないのは確かです。しかし、知識が無いのは問題外です。確固たる知識があり、そこに原理原則を元に考えて正解に至る、これが理科の難問を攻略する方法です。

だから、一足飛びに難しい問題にブチ当たるのは得策ではありません。まずは基礎的な問題を速やかに処理出来るようになって初めて入試問題のレベルに触れることができると言えるでしょう。

ということで、火成岩の6種の名称と成分が答えられないレベルの人は中1ワークに帰りたまえ(笑)。

3.自由研究に手間と時間をかける

もう2年間過ごしてきた賢明な中3生なら言われるまでもなく、自由研究がどれだけ内申点に大きく影響するか、分かっていることでしょう。

テストが平均点でも自由研究一発で3から4に成績が跳ね上がる。こんなことは日常茶飯事です。逆に言えば、テストでいくら高得点を取っても、自由研究がおそろかでは5がもらえません。

なぜなら、理科の先生のような専門家からしてみたら、理科の実力が如実に表れるのはテストではなく、自由研究だということが分かっているからです。テーマと着想、実験の設定、データの処理、そこからの考察と結論、最後の反省に至るまで、理科の力を存分に発揮する要素にあふれています。

だからこそ、理科で稼ぎたい人は自由研究に手間暇をかけましょう。自由研究のテーマ設定は何でも良いですが、そこで行う実験設定に穴が無いかじっくり考えましょう。実験で得られたデータを見やすく処理しましょう。そして、データから導き出せる結論を徹底して考察しましょう。

もちろん成績のためですが、同時に理科の力を伸ばす良い機会でもあります。周囲の人のアドバイスを適切に活かしながら頑張ってみてはどうでしょう?

まとめ

以上3点ほど、夏休みに中3生がやるべきことを挙げていきました。

大前提は、次のテストで最大限の自己ベストを出すこと。そんなことは言われなくても分かっているでしょう。

ただ、目の前のテストだけやっていてOKではない科目なのが理科(や社会)です。先を見すえた対策が必要なのですが、なかなか現役の中学3年生には先を見すえろとうのも無茶な話ですので、アドバイスをしてみました。

夏休みは長いと思いきや、他にもたくさん科目がありますので、やれることが多いようで実は限られてきます。何をすべきかリストアップして、それをどうやって消化していくか。長い期間だからこそキチンと予定を立てることが大事ですね。

ウチの学院生には夏期特訓期間中に上記のことをやっていきます。今回はその予告でした。