今年は緊急事態ですから、学校の先生もさぞ大変な舵取りをされている事でしょう。心中お察しします。

基本的に僕ら塾講師は学校の先生に対してリスペクトしています。土日も無く朝から晩まで激務をこなしている超人のような方々ですからね。勉強を教えているだけの我々とは違います。

とはいえ、どう考えてもおかしいものはおかしいとしか言えないわけで……注意喚起として取り上げておきましょう。

ひとまず結論から。

今年は演習不足なので、テストに向けていつも以上に演習をたくさんやるようにしましょう

試験範囲が広いのはしかたない

今年は小田原市内の多くの中学校で、定期テストが1回スキップされました。テストが行われるのは本来6月ですが、休校開け早々テストをやるわけにもいきません。

その結果、多くの中学校で9月のテストが実質第1回のテストになりました。そこで何が起きているか、事実を挙げましょう。

とある中学校の中3数学を見てみます。試験範囲は中2から「確率」が出題、中3から「多項式」と「平方根」が出題されます。中2の3月から休校してしまったので、中2部分が出題されるのは当然ですよね。

ちなみに、去年の範囲は「多項式」と「平方根」の2章分。去年は4~7月の4ヶ月で2つの章を終えたことになります。去年は1つの章を終わらせるのに2ヶ月かかったわけです。

今年は6月と7月、おまけで8~9月の2週間くらいで、3つの章が終わっています。今年は1つの章を終わらせるのに1ヶ月かかっていません。去年と比較すると、2倍以上のペースで授業が進みました。

……いったいどうやって進めたのでしょう?

問題演習をできないのもしかたない

例年の2倍以上ものペースを実現できたのは、演習を省いたからです。

確かに今年は非常事態。先生としては、生徒のためにたっぷりと演習をしながら進めたいのが本心なはず!でも、苦渋の選択をせざるを得ません。

塾に行っている子は予習が終わっているので何も困りませんが、塾に行っていない子は学校の授業が頼りです。僕自身、塾無し族だったので、学校の授業の重要性は痛いほどよく分かります。

そこで、多くの学校の先生は、主な例題を解説したら演習をせずに先に進むことにしたようです。とりあえず基礎的な問題の解き方は分かるようになるので、あとは自学によって高めていけば良いわけですね。

難問を出すのは意味が分からない

ここまでは納得がいきます。演習用に学校のワークが用意されていますから、定期テストもワークから出題をすれば、どれだけ努力をしたか明確で、成績もつけやすそうです。

しかし、生徒がボヤいてた一言に僕は耳を疑いました。

「先生が『今回はすごく難しくしたぞ』と言っていました」

……なんですと?

全く理解ができません。いつから学校の先生は簡単な問題を教えて勝手に生徒が難しい問題を解けるようになるのを待つだけのお仕事になったのでしょう。

安易に満点を取らせないという考えは理解出来ます。学校のワーク程度の問題だけなら満点連発になってしまいますからね。

とはいえ、演習を省いて生徒の自主性に任せた以上、それに見合ったレベルの問題を大半にすべき。全国の入試問題を引っ張ってくるようなやり方はどうなのでしょう(よくありますが)。

つまり、基礎的な問題の解き方だけ教わったら、あとは塾に行くなりハイレベルな問題集を買うなりして、テスト勉強をすることが求められるわけですね。

僕は自塾の生徒の成績を上げまくることしか考えていませんから、臨むところです。生徒たちはたっぷりと演習をしていますから、爆上げしてもらいましょう。

僕が心配する筋合いではありませんが、塾に行っていない子たちは本気でどうするんでしょう……

問題点は「演習不足」にあり

学校の先生に対して愚痴っていても始まりませんので、具体的な対策を練らなくてはいけません。

今年どの学校でも発生しているのが、授業数減少による「演習不足」です。

英語や数学は解く時間そのものが大幅に減っています。国語や社会は自分で調べて作業する時間はかなりカットされ、理科の実験も先生のやっているものを見るだけ、というように、教わった知識や解法を定着する機会が失われているのです。

だから、やるべきことは暗記と演習です。いつも以上に徹底して演習量を確保しなくてはいけません。

学校の教科書問題はもちろん、各科目のワーク、塾に行っていれば塾のテキスト、行っていない人は市販の問題集です。

テストの範囲はどの中学校も膨大になるでしょう。

テスト前に全部をやることは不可能なので、あらかじめワークを小出しにチェックしている学校の先生はちらほらいらっしゃいました。生徒の負担を少しでも軽くしてやろうという親心ですね。生徒は提出回数が多いと嫌がるでしょうが、明らかに先生の優しさです。

みんながみんなそういう先生ばかりではありません。テスト時にまとめて提出させる先生の場合、少しずつ自分で進めておかないとかなり絶望的です。

そこまでいってしまうと、寝る時間も遊ぶ時間も削って大量に問題演習をやるしかありませんね。覚悟を決めましょう。

ほぼ反転授業になっている学校も

小田原市の中学校はどこもオンライン対応をしていないのでどこも似たような状況です。

高校はさすがというべきか、休校期間中にオンライン対応をしているところがほとんどでした。

ところが、自前の映像授業を使わずに市販の映像授業を使ってしまった高校があります。これは先生たちにとっては諸刃の剣でした。

その映像授業、わかりやすさやクオリティは全国トップ。各予備校で活躍していた先生がオールスターになったようなものですから当然と言えば当然。僕なんかの授業とかよりはるかに分かりやすいですから、生徒たちは苦も無く予習を進めることができたはずです。

しかし、映像授業は多くの学校の先生の授業より分かりやすいということが判明してしまったんですね。

休校期間だけにしておけば良かったのに、未だにその映像授業を見られるので、映像授業でどんどん予習をしている子もいます。その後学校の授業で確認するという流れです。

高校の先生としては心中穏やかでは無いような気がしますが、彼らの学力を伸ばすという意味では、とても効率的でしょう。

ただ、高校も演習が圧倒的に不足している。この事実は変わりません。生徒たちには口うるさく言っていますが、とにかく毎日演習を積み上げることができれば成績を取るのは本当に簡単。それが高校というものです。

まとめ

学校の授業が演習をせずにどんどん進むのは、今年に限りしかたありません。これだけ休校期間が長引いたとき簡単に予想出来たことです。

学校の授業を受けただけの状態だと、いつもと同じようには定着していないはず。あまり自覚のないまま授業がポンポン進んでしまっているかもしれません。

だから、意識して演習を多めにする必要があります

今年はこのような状況がずっと続きますので、習ったらすぐ大量の演習をこなすペースで勉強を進めていきましょう。

僕の管理する教室も、ようやく1回目のテストを迎えます。たっぷり演習した成果やいかに。楽しみですね。

この記事を書いた人

富田 靖之
富田 靖之螢田教室・板橋教室責任者
指導歴20年の理系担当講師。
教室ブログはムダに長文が多い上にコアな内容が多いので、お暇でしたらご覧下さい。