中3生は、状況的には自動的に受検生になります。ほぼ全員が高校受験をしますし、そのときは本人の望む望まないにかかわらず勝手に近づいてくるからです。

ちなみにご存じかもしれませんが、神奈川県の場合学力「検査」なので、受験生ではなく受検生と呼ばれます。誤字では無いので念のため。

周りからは受検生と呼ばれるものの、彼ら自身はどこ吹く風。こんな甘ちゃんに活を入れる役目をするのが入試説明会なのですが、今年はご時世的に色々ありました。

今回は入試説明会の裏話を需要とかガン無視でお届けします。

入試説明会はモチベーションの起爆剤

まだ甘々な中3生たちの姿ですが、保護者のイメージする受検生像とは大きなギャップがあります。まあ大人も勝手なもので、自分が高校受験だったときに理想的な受検生だったかと言えば、ほとんどの方がそうでは無かったと思うんですよね。まあそれは僕も人のことは言えませんけど。

だから、中3生なんてそうそう簡単に立派な受検生にはなれないものです。家にいるときは時間を惜しむかのように机に向かうなんてことはありません。親からみたら変わらずダラダラしているように見えてしまいます。親のイライラは募るばかりです。

もちろん受検にはタイムリミットが存在しますので、塾は生徒に勉強をさせます。モチベーションを上げるためのトークも重要。僕の場合、毎週数学の時間を削ってそんな話をし続けているくらいです。あ、数学のカリキュラムは予定通りキチンと進んでいますのでご安心を。

それでも灯がともるタイミングには大きな個人差があるわけで……中3になって別次元に勉強するようになった子もいる一方で、相変わらず言われたことを淡々とこなすだけで充分だと考えている子もいます。

そんな名ばかり受検生の脳内に楔を打ち込み、受検への足がかりになるのが毎年秋に行う入試説明会です。

対面かオンラインか、それが問題だ

新型コロナウイルスの感染拡大防止のため、現在どこの施設も定員を減らして運営しています。毎年入試説明会で利用しているUMECOも同様、定員の半分しか着席出来ないそうです。とても中3生本人と保護者に全員参加して頂くことなどできません。

となればオンライン実施ですが、ここも二の足を踏んでいました。オンライン説明会はすでに実績があるので、運営上は全く問題ありません。

問題は生徒と僕ら講師が顔を合わせない点にあります。

まず生徒。授業中などの姿勢はさすが中3生、集中力は申し分ありませんし、その目は真剣そのものです。

同時に、少し目を離すと途端に緩むのもよく知っています。見えないところでの彼らに全幅の信頼を置くなんて事はとてもとてもできません。

オンラインで説明会を実施するのは良いですが、ベッドに横たわって見ているかもしれませんし、映画よろしくポテチをつまみながら眺めているかもしれません(それは別にいいか)。そのまま寝落ちしそうな子もいるかもしれませんしね。

そして、我々も目の前に人がいるのといないのでは喋りのテンションが変わります。プロとしてあるまじき事かもしれませんが、カメラ相手に真価を発揮出来るほどYoutuberしていません。

だから、せめて生徒だけは対面でやりたい

そこで、今回は生徒は対面で行い、その様子を生中継で自宅にいる保護者の方に見て頂く、こういった折衷案でいくことにしました。

迫る台風と苦渋の決断

そこまで準備をしておきながら、まさかの台風が接近してくる事態になってしまいました。

台風の進路はそれる見込みだったものの、大雨も予想される中わざわざ中3生を呼び出して風邪でも引かれたらたまったものではありません。

比較的早いタイミングで「全面オンライン実施」の判断をすることになりました。

これ、数年前も台風が来る、来ないでもめたことがあったんです。そのときはたまたま風が強い程度で済んだのですが、今の時代なら躊躇無くオンラインで実施すると即断即決できたことでしょう。大きな時代の変化を実感しますね。

さて、もう腹をくくるしかありません。生徒は目の前にはいません。いかに熱のこもったメッセージを伝えるか、我々の手腕が試されることになりました。

前回の反省点と今回の改善点

6月に行ったオンラインの説明会で頂いた意見を元に、今回はいくつか改善を試みました。

前回は僕のiphoneとPCでYoutubeLIVEをしたのですが、iphoneはカメラ性能は良くてもマイク性能はイマイチ。先日収録した面接セミナーの動画もやはりノイズが気になりました。

また、電子黒板のプロジェクタが古くなっており、画面が鮮明には見えません。オンラインの小さい画面では、細かい文字のみならず大きめの文字ですら読めないでしょう。

そこで今回は機材を一新して、下のようなシステムにしてみました。

機材セッティング図

美術の成績が2だったポンコツの本気

ちなみに上の図を書いてるときそばで見ていた小学生が「先生上手だね!」としみじみ話しかけてきました。なるほど、これで上手なら君はどんだけ絵が苦手なんだい?

絵がアレなので、写真でどうぞ。

機材写真

機械に囲まれる幸せ

今回は、電子黒板ではなく液晶のモニタに表示しました。これで映像が鮮明になります。それでも細かい文字は読めないので、そのときは直接PCの画像を生放送に流すことが出来ます。

それが秘密兵器スイッチャーです。

PCの画面を表示しながら、喋っている僕らをワイプで小さく映すことが出来ます。

ワイプの図

ワイプが想像以上に小さすぎる件

音声はテレビでよく見かけるワイヤレスのピンマイクを使って、我々の声を鮮明に届けることが出来ます。万が一トラブルがあっても、カメラはファミリー御用達のビデオカメラ(私物)なので音声を拾うことが出来ます。転ばぬ先の杖ですね(フラグ)。

生放送は何があるか分からない

こうして始まったYoutubeLIVEを使ったオンライン説明会、前回のノウハウもあるので比較的スムーズに進行しました。

目の前に生徒がいないとテンションが上がらない、熱をこめられない、なんて危惧をしていましたが、いざ喋り始めると塾講師魂が燃えさかってきます。結局生徒がいようがいまいが、彼らを受検生の目に変えるべく熱のこもったトークが繰り広げられていました。

ちなみに僕は機材担当なのですぐ近くに座っていましたので、熱いトークを嫌と言うほど堪能させられました。本来ならオンライン説明会だからマスクする必要はないのですが、そんな場所に僕が座っている関係で、演者がみんなマスクをしていたのです。ザ・裏話。

話の内容はいたって順調だったのですが、生放送に機材トラブルはつきものです。

まず1回目の休憩直後、音が出ないというトラブルが発生しました。うかつなことに、放送をモニタしてなかったんですよね。だから音が出ていないのに全然気がつきませんでした。

幸い生徒や保護者の方から鬼のようにLINEが入ったおかげもあり、対処することが出来ました。とりあえず音の出ないピンマイクはカット、代わりにビデオカメラのマイクをON。なんとか被害は最小限で済みました。

あとで調べてみたらピンマイクの端子が緩んでいただけでした。

さらにトラブルは続きます。

大画面のモニタ(ていうかテレビ)が一定時間経つと勝手に電源が切れる仕様だったらしく、よりによって僕が話している最中に落ちました。焦る焦る。

その際は完全に中断することになってしまい、待って頂いた視聴者の皆さま、本当に申し訳ありませんでした。

画面を再起動して、続きから説明を始めたのですが、さらなるトラブルが襲ってきます。モニタが突然電源OFFになったせいで、説明する資料が表示されたPCの画面(別名カンペ)が全く動かなくなってしまったのです。

PowerPointでプレゼンをしたことがある方ならおわかり頂けるでしょうが、いわゆる「返し」の画面です。今表示されている内容と、次の内容が両方表示されています。これさえあれば、一切モニタの方を振り向くことなく、カメラ目線で話し続けられるのです。

そのカンペが無いので、記憶している内容を頼りに、ときどきモニタを振り返りながら説明を続けました。正直マスクの中は冷や汗でいっぱい。

機材担当として本当に情けない限りです。次はこのようなことが無いように徹底せねば。

受検生の目に灯がともった

さて、今授業前にこのブログを書いているのですが、目の前で中3生が何人も自習しています。

今日は今までほとんど中3生が来ることの無い曜日です。その風景が一変しました。

自習風景

ソーシャルディスタンスにつき満員

受検生たちに実感が伴い、今まで他人事のように感じていた「入試」というイベントが、自分の事としてリアルに迫ってきたのでしょう。そうなったらしめたもの、「やる」か「やらない」か選択を迫られたとき、迷い無く「やる」を選ぶことが出来るようになるからです。

説明会のあと、進路に関する相談も受けました。てっきり高校入試に関する相談かと思ったら、なんとその先、大学入試に関することでした。

ちょうど僕が話した内容ですね。ウチの高校部の子たちは、高校入学前に大学受験を意識した行動をしています。高校入試が終わった瞬間から2ヶ月遊びほうけた同級生など、敵ではありません。

ただ、そのタイミングで勉強するには、高校合格を超えたモチベーションが無いと行動に移せないでしょう。

今まではただ高校に受かることだけしか考えてこなかった中学生たちが、その先の進路について、いざ考えてみたら何も分からないことを初めて自覚したんだと思います。

色々と視界が広がるような話をしてあげました。高校入試に全力投球するのは当たり前ですが、その先を考えている子は高校進学を通過点として見ることができるはず。

一層の飛躍が期待出来そうです。楽しみですね。

まとめ

トラブルが多々発生した説明会でしたが、骨になるところは余すところなく伝えられたのではないか、そう自負しています。

そして、天候で順延してタイミングを逃すこともなく、適切な時期にきちんと説明会が出来たのも、コロナ禍で得た収穫の1つです。

中3生のみんな、大変な時期だけど僕らが全力でサポートするからね。安心して目一杯頑張ってほしいですね。

ということで説明会裏話はここまで。ここまで読んだあなたはよほど教育に熱心な方か、熱心なブログファンです(笑)。

この記事を書いた人

富田 靖之
富田 靖之螢田教室・板橋教室責任者
指導歴20年の理系担当講師。
教室ブログはムダに長文が多い上にコアな内容が多いので、お暇でしたらご覧下さい。