だらだらと続く雨がうっとうしく感じる陌間です。

さて、小田原にある中学校で第1回目のテストが終わりました。

テストの問題を見せてもらったところ、2021年から変わった観点の中で「主体性」をどう評価するのかというのがおぼろげながら見えてきました。
なので今回はそれについて書いていこうと思います。

2021年度から評価がどう変わったかについては以前記事を上げたのでぜひそちらも見てみてください。↓

2021年度から中学校の成績評価が変わります。 主体性ってなんだ?

「主体性」はテストでどう評価されるのか

テストの問題を見て、最も分かりやすく「主体性」をどう評価するかが見えたのは英語でした。

英語ではテーマに沿った作文で「主体性」が評価されています。

テーマに沿った作文とは例えば、「得意なものや苦手なものが書かれたメモを参考にスピーチを考える」といった感じです。

そこでの評価基準は次のように分かれています。

3点 できるだけたくさん情報盛り込もうとしている
2点 書けそうな情報を盛り込もうとしている
1点 簡単な内容だけを盛り込もうとしている

これらの評価には備考としてさらに

相手に伝わるように書いている

というのが付け足されています。

学校によってはより具体的に「3文以上なら3点、2文なら2点…」というように具体的に書いてくれている学校もあるようです。

これらのことから考えるに、「主体性」の評価のなかで大きなウエイトを占めているのは、「どれだけ多くの情報をもりこむか」、つまりたくさん文を書こうとしているか。
そして、「情報が相手に伝わるような配慮をしているか」の2点だというのがわかります。

特に2点目は評価が変わる前から懸念されていた評価を上げるために中身のない内容をただひたすら書くとか、わからなくてもとりあえず手を上げるだけあげて評価をかせぐといった荒稼ぎに対するカウンターになっているようです。

そして、これは学校によるのかもしれませんが、文法や単語の小さなミスは大きな減点対象にはならないようです。

つまるところ「主体性」の観点とは前向きな行動、やる気を評価するものなので「ミスを恐れず前向きに取り組んでね」という先生がわからのメッセージなのかもしれません。

明確な基準が示されているのは主に英語でしたが、他の科目でも記述する問題は出題されています。

主体性の評価はそういった作文系の問題を中心に評価されているようです。

「主体性」はテスト後にどう評価されるか

多くの学校でテスト後にはテスト直しが課せられると思います。

ウチのターゲット校でも同じくテスト直しが課題として出されていました。

その方法は指定のレポート用紙に間違えた問題を直すというものです。

間違えた問題について、言葉による説明、図による解説などを盛り込んでというものでした。

「主体性」はどう評価されるか

テスト全体を見渡すと「主体性」を評価する問題が占める割合は非常に小さいのが特徴です。
これはテストに制限時間があるのが一因でしょうから仕方のないことだと思います。

やはり「主体性」は普段の授業態度やレポート、グループ活動が大部分を占めているのでしょう。

じゃあテストを軽視していいのかというと、もちろんそうではありません。

まず成績は「主体性」だけでなく「知識・技能」と「思考・判断・表現」で評価されます。
テストでは「知識」や「思考」の観点が多く盛り込まれています。そこがへこんでしまえば、どんなに「主体性」がとがっていても良い評価にはつながらないからです。

まぁそれは当然として、テスト問題にある「主体性」部分はパスしていいかというこれもそうはいえません。
もちろん「主体性」を評価する問題は点としての割合は小さく、また穴埋めや選択問題と違ってゼロからのスタートなので問題を解くのに時間がかかります。
なので問題を解くときの戦略として、後回しにするのはアリだと思います。

一方で時間があるのに解くのをあきらめるのはナシです。
上にも書いたように「主体性」評価の問題はある程度のミスは見逃されます
極端な話、荒稼ぎをしようとしてバラバラな内容でも最低限の点数は確保できる可能性があるわけです。
たかが一点とあなどるなかれ。
成績はテストだけでなくそれまですべての積み重ねになるので、その一点が評価をわけることも十分にありえます。

「主体性」評価はどうなのか

2021年度から始まった「主体性」の評価ですが、導入初年度ということもあり評価のしかたも色々な方法が模索されているのがテストからうかがえます。

「前向きな態度を評価する」というその性質上、どうしても先生にコビを売るように見えがちです。
が、その根底には「前向きに」行動するだけでなく、「他者に自分の気持ち、考えを分かりやすく説明する」ことを重視しているのがあるように見えます。

「他者に自分の気持ち、考えを分かりやすく説明する」ことはコミュニケーションの重要な部分を担っています。

善し悪しの評価にはもう少し時間が必要でしょうから、あまりはっきりはいえません。
しかし、こうした評価を利用してコミュニケーション技能を磨いていくのは自分のためになります。
なので、制度に乗っかっていく分には問題ないのではないでしょうか。

今回は長くなったのでここで終わりにしますが、評価を上げるテクニック的なもの近いうちに記事にしたいと思います。
乞うご期待!

この記事を書いた人

陌間 和将
山王教室の責任者・国語の教科責任者を担当しています。
日常の授業を通して考える習慣を身につけてもらうべく、様々な仕掛けを凝らして授業をしています。