算数を指導していると、生徒の計算力に大きな差があることに嫌でも気づきます。
親目線だと他人と比べられないので、意外と気づきにくいかもしれません。まあ、そのために第三者の目線=塾があるんですけど。
そんな僕の私感ではあるのですが、「計算力と文字の大きさ」に見逃せない関係があると思っています。今回は「文字の大きさ」という「個人の好みだから好きにすれば?」となりがちな部分にメスを入れてみます。
目次
計算力が高い子は文字を小さく書ける
一口に「文字の大きさ」と言っても、普通の文字のことじゃありません。計算の式や筆算の数字のことです。
計算力が高いほど、文字を小さく書いても間違えません。逆に、文字を小さく書いても間違えない子は計算力が高いと言えるでしょう。
卵が先か、鶏が先か、みたいな話ですね。
でも、文字を小さく書いたら間違えてしまう子は、まだまだ計算力が高いとは言えないでしょう。
計算の文字を小さく書くには、結構ハードルがいくつもあるんですよね。
大前提として、丁寧であること。自分の文字すら読み違えるようではダメです。繰り上がりや繰り下がりの数字はもっと小さくなるので、かなり厳密な管理が必要です。
手順が迷いなくしっかりしていれば、文字が安定してきます。そうすれば多少小さい文字でもミスが起こりません。
計算力が低い子は文字を大きく書くべき
几帳面な女子にありがちなのが、文字だけがどんどん小さくなっていくパターン。まあ確かに文字が小さい方が見栄えはよいですからね。
ところが、計算力が安定しないうちに文字を小さくしてしまうとミスが増えます。
こういった場合、まだ文字を小さくすることはできません。もう少し大きめの字で書くだけで計算ミスが減ります。
実際、先日指導をした生徒がミスを連発していたので、「気持ち大きめに筆算を書いてごらん」とアドバイスをしました。
すると、とたんに計算が安定しました。
大きめに書けば繰り上がりなどの小さい数字も見やすく、スキマに書きやすくなります。文字が小さすぎると繰り上がりの数を書くスペースがなくなり、ついには省略してしまう子も出てきます。
そりゃ間違えますよ。
最終的に文字は小さく書かなくてはいけない
根本的に「別に文字を小さく書く必要なんか無くない?」と思われるかもしれませんね。身も蓋もありません。
ですが、理系の端くれとして断言します。
「計算の文字は小さくしないと書き切れない!」
そう、普段の勉強では別にどうでも良いのですが、入試や模試ではそうもいきません。
問題用紙のせまーい余白に全ての計算をしなければいけません。かなり小さい文字で書いてもいっぱいになってしまうことも少なくありません。大きい文字でしか書けなければその時点で詰みです。
きっと理系の高校生たちならもげるほど首を振って同意してくれると思います。
早ければ中学のテストでもスペース不足に泣くこともあるでしょう。だから文字を小さく書くのは「マスト」なのです。
能力の発達に合わせたノートを使おう
保護者のみなさんがお子さんの使う道具に無関心なのはよろしくない。子どもを伸ばしたいと考えているなら、道具にも注意を向けて欲しいところです。
算数のノートは、能力の発達や学年に合わせてマスの大きさが変えられています。1年生は15mmマスというドデカいマスのノートを使いますが、学年が上がるにつれて少しずつマスの大きさも小さく設計されているんですよ。
ときどき高学年の生徒が妙に大きなマスのノートを使っているのを見かけます。徐々に文字の大きさを小さくする意識を持たないと、中学で大学ノートを使えるレベルになれません。
低学年用と高学年用は誰でも区別が付きます。高学年になっても「さんすう」のノートを使っている子は、早く「算数」のノートに変えるべきです。
ちなみに中2~3くらいになったら僕が全力でお勧めするノートを使ってね!
まとめ
子どもが成長して足が大きくなっていけば、それに合わせて靴のサイズも大きくしますよね。
ノートの場合は逆ですけど、能力に合わせて小さくしていくべきです。
ただし、文字を小さくするにはそれなりの能力が必要なので、計算力を高めるためにせっせと問題を解く。計算力が上がってきたら文字を小さめにするよう意識する。これが自然とできていけば、激しい計算に耐えうる力が付くでしょう。
ぜひ子どもがどのくらいの文字で計算をしているか見てみましょう。大きすぎではいつになってもあまり伸びないし、小さすぎてはミスの元。
小さい文字で計算できるよう、能力を伸ばしていきましょう。最終目標は5mm方眼ノートだ!(まるで文具メーカーの回し者)
この記事を書いた人
- 指導歴20年の理系担当講師。
Twitter始めました。ブログは長文、それ以外はTwitterで情報を発信していきますので、よろしくお願いします。
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