これまでの経験上だが、漢字の力と読解力にはつよい相関がある。
高い読解力を持つ生徒はもれなく漢字にもつよいし、その逆もしかりである。

で、漢字が苦手という生徒は漢字の練習が足りていないのかといえばそうではない。

たとえば、ある小学生の話。
小学生は普段の授業で毎回漢字テストを行っている。
そこでは問題なく満点が取れている。
ところがテスト以外のタイミングで漢字の問題をやらせてみるとぽろぽろと間違える。

この場合、テスト用に漢字を覚えている状態になっているのだ。

もっともこれは多くの小学生に共通することだとは思う。
そんなに不安に思う必要はない。
だが、そういう「ふつう」のレベルから一歩も二歩も先に行きたいならばそのままではいけない。

ではどうするか。
漢字を覚えるときに、その形や読みを覚えるのは当然として、それ以外に次に挙げる点に気をつけるのがよいだろう。

1 部首とその意味

漢字の形を覚えていたら自然と覚えているものでしょ?
だが小学生にとってはあまり自然ではないらしい。
そうでないとしても「クサカンムリ」、「ニンベン」はいえるが、その意味がわからないなんてこともざらだったりする。

部首はその漢字の意味を表す重要なパーツ。
だから今まで見たことがない漢字・熟語に出会ったときにその威力を発揮する。
「あ~見たことない漢字だけど、りっしんべんがついてるから心に関係するんだな」
みたいな感じに。

また同時に、部首は漢字を分類するときの目印だ。
新しい漢字を覚えるとき、部首に注目すればそれ以外の部分だけ覚えればよい。
学年が上がって行くにつれ、出てくるものの多くは二つ以上の漢字の組み合わせになる。
なので部首やつくりに注目していくと、漢字を覚える負担は学年が上がるごとに減っていく。

2 同じ読みをする漢字を覚える

漢字そのものを十分に覚えるくせがついたら、他の漢字とのつながりを考えてみるとよい。
これは知識を深めるという大事な意味の他に、神奈川県の公立高校入試で確実に得点するという現実的な目的がある。

たとえば、昨年の神奈川県の公立高校入試問題を見てみよう。

次の――線をつけたカタカナを漢字に表したとき、その漢字と同じ漢字を含むものを、あとの1~4の中から選びなさい。

 ・ボクソウを刈る

 1. 演説のソウコウを用意する。
 2. カイソウごとに空調を管理する。
 3. バンソウに合わせて歌う。
 4. 厳しい共存キョウソウを勝ち抜く。

さて正解はどれだかわかるだろうか。
「牧草」と同じ「草」がつくものを選べばよい。なんだ簡単じゃn・・・と思ったらそれらしいものがない。
2は階、3は伴、4は競なので正解は1の稿

このように消去法を使うにしても、同じ読みをする漢字について知識がなくては解くことができないような問題の作りになっている。
同じ読みをする漢字を分類する上で重要なのはその漢字の意味だ。
上の例に戻れば、2はフロアがいくつも重なっているから「層」。
3は歌うとあるから楽器を弾く「奏」といった具合である。
これも部首などに注目することで意味はとりやすいが、部首がわからない場合はその漢字を使う他の熟語を考えてみればその共通している部分から意味を理解することもできる。

漢字をマスターするために使えるもの

以上とくに重要な2つの点を挙げた。
が、重要なのはそれらをどう身につけるか。
当然、漢字をただ何回も書いただけでは身につくものではない。
大事なのは上に書いたようなことを意識して練習すること。

口にして言うのは簡単だが、実践するのは難しい。
だから、オススメなのは漢検。
漢検の問題は単純な漢字の読み書きだけでなく、部首、同音異義語や同音異字などが含まれている。
普段漢字練習するときにはあまり意識されない、重要な要素を容赦なく問題として聞いてくる。
だから進めていくうちに自然と意識するようになる。
合ってる間違っているはともかく、何回か周回することでかなり漢字に関する意識が変わるだろう。

中学に向けて準備を進めようと考えている小6生には特におすすめ。

以前漢検について詳しく書いた記事もご参考に。

漢検を使った国語の高校入試対策

この記事を書いた人

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陌間 和将
山王教室の責任者・国語の教科責任者を担当しています。
日常の授業を通して考える習慣を身につけてもらうべく、様々な仕掛けを凝らして授業をしています。