「国語なんて勉強しなくても勝手に身につくでしょ」

親世代の人たちにはどうもこのような間違った認識が蔓延しているようです。
考えてみれば無理もありません。
昔は塾で学習するといえば英語や数学が中心で国語は意識しなくても勝手に身についてきていた人が多かったからです。

では、なぜ昔は国語が勝手に身についてきたのでしょうか。
これは私の個人的な見解ですが、ひとつは昔の詰め込み教育が良い方に転んだということ。何はともあれ暗記しましょうという教育には否定的な意見も多くありますが、詰め込むことによって一定の水準が半ば強制的に保たれていたのでは無いでしょうか。

ふたつめは子供たちを取り巻く環境の違い。核家族化・両親共働きなどの社会の変化によって、コミュニケーションという生きた国語教材が著しく減ったのではないかと考えます。

おじいちゃんおばあちゃんが自分の知らない言葉を使ってコミュニケーションをとってきたなんていう経験はありませんか?
ことわざや慣用句など年をとれば人はそれなりに身につけ、自分の表現ツールとして使います。必要に迫られた日常会話の中で勉強と意識することもなく、そういったやりとりがいくつも積み重ねていった結果、学校の勉強以外で言葉の泉ができあがっている。今の親世代にはこのような環境で育った人が多かったのではないでしょうか。

国際学習到達調査(PISA)でも示されている日本人の子供の読解力低下は、学校以外で国語を学ぶ機会というのが少なくなってきたのが大きく影響しているのではないでしょうか。

国語ができないということは他の科目の教科書や問題集の解説を読むのに苦労するということです。本来そこに費やす必要のない時間をかけて勉強していきますので勉強嫌いを作り出します。

国語嫌いは勉強嫌い、こうなると本当にきびしいです。なぜなら国語の改善には膨大な時間を要するからです。

もしもこの記事を読んで危機感を覚えたならば、生活の中に「生きた国語教材」を用意しましょう。

せっかくの機会なので我々の塾で小学生が取り組んでいる勉強を紹介しますので、よかったら参考にしてみて下さい。

国語力=語彙力・読解力・表現力・文法力

国語力を構成しているのは語彙力・読解力・表現力・文法力です。
語彙力は漢字・語句・ことわざや慣用句など言葉の数がモノをいいます。
読解力は筋道に従って文章を読み解く力で論理的思考能力ともいいます。
表現力は作文力や発言力です。自分の考えを文字や音声で表現できるかどうか。
文法力は日本語のルールについての理解です。多くの日本人は7割方の文法を学校で学習する前に生活の中で身につけています。

とある小学生の国語指導をご紹介

指導のスタートは漢字テストから

着席してすぐ、小学生は新出漢字10題の書き取り練習とその意味調べの宿題をまず私に提出します。
なにげにここはポイントかなと思うのですが、単純暗記にしないためにも書き取りをやらせるならばその語句の意味調べをセットで行わせると効果が上がると思いますよ。

そして意味調べをするならば、小学生用の国語辞典は用意すべきです。よくスマホで調べるなんてことをやらせているようですがスマホは大人向けの説明ばかりで小学生が意味をつかむには不十分でただの作業になります。そばに大人がいて通訳する覚悟があるならばスマホでどうぞ。

提出してくれた練習帳を私は細かくチェックします。漢字は間違っていないか、とめはねは正しく書かれているか、文字は丁寧に書けているか、意味調べに不備はないか。チェックを厳しくしてあげないとどうしても手を抜いてしまうものですからね、入念に根気よくチェックをします。

覚えた漢字を使って作文する

宿題チェックが終わると漢字テストですがただの漢字テストではありません。漢字10題の書き取りに加えて50字作文がセットになっています。語彙力・表現力・文法力を作文をすることで一度に養っていきます。

作文ルールは各自の能力や教室ごとによって一部異なりますが、私は10こある漢字から3つを子供たちに自由に選ばせて作文させています。ストーリーも自由です。言葉の意味、言い回しが正しく使われていること、内容的に小学生にふさわしくないもの以外は彼らの想像力に任せています。私の想像を超えた名文が出ることもありますので、内容に口を出すことは一切しません。文を書くことに抵抗をなくす意味でもある程度の自由度や自分の得意な話題で文を作ることはプラスに働くことでしょう。

文章読解の基礎は音読から

漢字テストが終わると、テキストを使って読解問題にチャレンジします。
新しい文章のときは「音読」から始めます。

みなさんは音読の重要度をどのくらいと考えますか?私は「音読は国語力をうつす鏡」と考えます。言葉のかたまりを捕まえられない、語尾を勝手に変えてしまう、すでに学習済みの漢字なのに読めない、音読を通して見えてくる情報は膨大です。そういうサインを見落とさないように音読を聞いてあげます。読む相手がいるということも大事ですからね。一人で音読しなさいとかはやめてください。

まずは内容把握

読み終わったら「どんなことが書いてあったか」を確認する問題を解きます。重要部分が空欄になっているので前後の表現から空欄に当てはまる言葉を探す練習をします。

ここで重要なのは「探す」という行為です。中途半端に頭の回転の速い子は「探す」作業を面倒だと思い、自分の暗記力に頼ります。なので漢字表記をひらがなで書いたりなどのケアレスミスがおきます。いいですか、本当に頭の回転の速い子はたとえ内容は覚えてしまっていても探す行為をします。高速で手際よくします。

もしも読解が苦手なようならば蛍光マーカーを用意しましょう。なるべくたくさんの色を。
空欄の前後に色をつけて、同じ部分を本文の中から見つけて色をつける作業に変えてあげましょう。
地道に繰り返すことで、読解のコツが少しずつ身についてきます。

二度読みでさまざまな問題に対応する練習

我々が使用している塾用教材は二度読み(同じ文章で違う問題を解くことで文章を2度読むことになる)の構成になっています。
内容把握の簡単な問題をクリアした子は次のページの本格的な問題にチャレンジです。
内容そのものに加えて、何をどう答えるのか?という問題解決のための手段を学んでいく場です。

国語というのは文章の数だけ問題はたくさんありますが、実は問題のパターンはそれほど多くありません。
小学校よりも一段レベルの高い設問に一足早く触れさせることで、問題理解の障壁をなくして、純粋に文章読解に打ち込める状態に早くもっていくことが狙いです。

触れた文章に対しての意味調べも抜かりなく行います。読み終えたときに知らなかった言葉をリストアップして意味調べを促します。

まとめます

とまあ、塾での国語の進め方はざっとこんな感じですが、ご家庭で実践するようならばまずは「漢字」「音読」ではないでしょうか。ただし、やらせるときには他のことをしていても構いませんのでなるべくそばで見届けてあげて下さい。お子さんが大きくなるに連れ、親のそばで勉強しなくなります。目が届いているうちにすべての科目の基礎となる国語力アップにチャレンジしてみて下さい。

家庭ではちょっと難しいですという方、夏期特訓をやりますのでよかったら一度体験してみて下さい。

この記事を書いた人

加藤 正和
加藤 正和
足柄駅前教室責任者/文系科目担当/時事モンGOの中の人

・「熱しにくく、冷めにくい。」一度火が付いたら止まらない性格。
・「書けそうで書けない絶妙なポジションの漢字」を探すのに夢中。

ユーミンとサザンとミスチルと中島みゆきとももクロをこよなく愛しております。でも最近のヘビロテはヒゲダンです♪
ビールと日本酒をこよなく愛しております。
したがって、カラオケと居酒屋をこよなく愛しております。

めったにブログ書きませんが
筆無精の「全力」をご覧ください。