本日取り上げる内容は「関係代名詞」です。
ちょうど今中学校で勉強しているよ!なんていう人も多いのではないでしょうか。(中学校よ、それで入試に間に合うのかい?)
神奈川県の公立高校入試の中では、文法問題のみならず、読解問題の本文の中にもガッツリ登場します。

以前の記事でも触れましたが、関係代名詞は日本人にとって不慣れな「名詞の後置修飾」の典型です。しくみを正しく理解しておかないと複雑になった文の構造に振り回されて、読解もままならなくなってしまいます。

そういった事態に陥らないように今日は「関係代名詞とは何か」というところから始めて、その使い方や注意点まですっきりわかるように説明していきたいと思いますのでぜひ読んでみて下さい。あくまで中学生向けの記事ですが、英語で苦しむ高校生にもオススメします。

関係代名詞とは何か?

関係代名詞を正しく理解するために必要なこと。それはずばり関係代名詞を使って2文を1文にする練習を繰り返すことです。
確実に理解できるよう、英語ではなくまずは日本語で見ていきましょう。

ここに「私はある少年を知っています。彼はサッカーがうまいです。」という2つの文があるとします。
この文は「わたしはサッカーがうまい少年を知っています。」と1文にまとめられることは理解できますね。

では同じ内容を英語でやってみます。このとき文と文をつなげるために必要となるのが関係代名詞です。

問題 次の2つの文を関係代名詞を使って1文にまとめなさい。
I know a boy. 「わたしはある少年を知っています。」
He is a good soccer player.「彼はサッカーがうまいです。」

解答 I know a boy who is a good soccer player.
「わたしはサッカーがうまい少年を知っています。」

何が起きたかわかりますか。そうですね、heがwhoに変わりました。このwhoが関係代名詞です。疑問詞who「だれ」ではありません、区別が必要です。

関係代名詞whoは次の2つの働きをしています。

1つ目は文と文を関係づける働き
whoのおかげで、さっきまで2文だった英文を1文にまとめることができています。

2つ目が代名詞としての働き。さっきまで代名詞heがしていた文の主語としての働きを引き継いでいます。

文と文をつなげる働きをしつつ、代名詞の働きも行っている、一人二役の活躍をするのが関係代名詞というわけです。

関係代名詞とは…文と文を関係づける働きをもった代名詞
・文と文をつなげる働き
・代名詞としての働き

関係代名詞が何者なのか、ぼんやりとでも見えてきましたか?
それでは実際に2文を1文にする練習を通じて、関係代名詞について深く学んでいきましょう。

関係代名詞を使って2文を1文にしてみよう

例題 次の2文を関係代名詞を使って1文にしなさい。
I have a friend. 「わたしにはある友人がいます。」
He can play the guitar. 「彼はギターを弾くことができます。」

手順1 同一の人や物を見つけよう

まず2つの文をよ-く見てください。すると、それぞれの文の中に同一の人や物を指す言葉があるのがわかります。

どの単語のことかわかりますか?そうです、a friendとHeですね。2文目のHe「彼」は1文目で話題に上がったa friend「ある友人」のことだとわかります。同一人物ですね。

このように同一の人や物を見つけたら、マークしておきましょう。

I have a friend. He can play the guitar.黄色=同一人物

手順2 同一部分を”つなぎ目”と考えて、文をつなげてみよう

次に、さきほど見つけた同一部分をつなぎ目と考えて、文と文をつなげてみましょう、こんな感じに。

I have a friend. He can play the guitar.→I have a friend he can play the guitar.

この文は1文目の最後の単語と2文目の最初の単語が同一だったので、ただつなげるだけで簡単にできちゃいましたね。

ところがこのままではいけません。
なぜならばheという代名詞には文と文をつなげる力がないからです。

代名詞の働きをしながら、文と文をつなげたいときに何を使いますか?

そう関係代名詞です!

heを関係代名詞と交換してあげないと文と文がつながりません。

手順3 代名詞を関係代名詞にチェンジする

さあ一番大事なポイントですよ。代名詞を関係代名詞にチェンジしていくわけなんですが、この関係代名詞、実はいくつか種類があるのです。用途に応じて接着剤を使い分けるように、関係代名詞も使い分けなくてはならないのです。

関係代名詞の早見表を用意しました。こちらをまずは見て下さい、ドン。

表の見方も含め、ふさわしい関係代名詞の選び方について説明していきましょう。

1 先行詞が人か?人以外か?

聞き慣れない言葉が出てきましたね。同一部分の前に来ている単語のことを「先行詞(せんこうし)」と言います。例題のa friendの部分です。

関係代名詞を選ぶ際は、まずこの先行詞の種類に注目します。先行詞が「人」か「人以外」かで使う関係代名詞が異なります。
(のちほど触れるので、ここではいったん「人+人以外」の行はスルーして下さい。)

先行詞が「人」か「人以外」かをチェックしましょう。

例題のa friendは「人」なので先行詞が人の行にある関係代名詞のどれかを使うわけです。

2 代名詞が何格か?

次に代名詞の格に注目します。主格・所有格・目的格という言葉はわかりますか?中1で勉強している内容ですが、もし忘れてしまっている場合も心配はありません。代名詞の意味がわかれば、何格なのかはかんたんに判断できます

代名詞の格
「~は・が」→主格
「~の」→所有格
「~を・に」→目的格

例題の代名詞はhe。ハイ、何格ですか?
heは「彼」という意味なので主格です。

早見表にしたがって先行詞が「人」で代名詞が「主格」のときに使う関係代名詞を確認しましょう。
whoですね!

heをwhoと交換しましょう。

I have a friend he can play the guitar.→I have a friend who can play the guitar.

関係代名詞を使って2文を1文にする手順はこれで完了です!

早見表についての補足です。

さきほどスルーした表の一番下の「人+人以外」の行についてですが、特定の条件の場合を除いては「人」でも「人以外」でもどちらでも使える万能接着剤だと考えて差し支えありません。「人+人以外」の行にある関係代名詞thatは先行詞が「人」でも「人以外」でもどちらでも使えると考えましょう。(特定の条件というのは公立高校入試では出てきませんのでここでは触れませんが、高校生はバリバリ問われますので教科書を確認しましょう。)

主格・目的格の関係代名詞だというのがわかっているのに、先行詞が人か人以外か判断がつかないときはthatを使えばいいのです。

また早見表で文字の大きさが小さくなっているwhom,whoseなどの関係代名詞は公立高校入試では出てきません
したがって、先行詞が主格で代名詞が目的格の関係代名詞は公立高校入試では万能のthatがwhomの代わりに使われます

つなげた文を和訳しよう

つなげた文を日本語にするとき、関係代名詞がつくっているwho can play the guitar「ギターを弾ける」の部分が、先行詞a friend「友人」をくわしく説明するように訳してください。a friend who can play the guitarで「ギターを弾ける友人」となります。どんな友人なのかがくわしくなりましたね。

I have a friend (who can play the guitar).
「私にはギターを弾ける友人がいます。」

実際に長文などで登場したときは関係代名詞の部分を上のようにカッコでくくっておくと文の構造が捕まえやすく、訳しやすくなりますよ。

あ、念のため言っておきますがwhoやwhichを「だれ」や「どれ」などと訳さないようにくれぐれも注意してください。
関係代名詞自体に訳はありません。接着剤としての役目に徹しているのです。

こんなときはどうする?関係代名詞の注意点

代名詞が文頭にない場合は、文頭に移動してつなげる

問題 次の2つの文を関係代名詞を使って1文にまとめなさい。
This is the book.
My grandfather bought it for me.

関係代名詞の注意点を実際の問題を解説しながら説明していきます。
先ほどの手順に従って進めましょう。

同一なのはthe book(本)とit(それ)ですね。同一の部分をつなぎ目にして文をつなげようとすると、、、、あれれ?となってしまいますね。そんなときは次のように対応しましょう。

同一の部分が離れていることに気づく
This is the book. My grandfather bought it for me.

同一の部分を文のつなぎ目にするために、代名詞itを2つ目の文の文頭に移動させる
This is the book it my grandfather bought for me.

先行詞the bookは人以外、代名詞itは「それ」という意味で目的格なので使う関係代名詞はwhich
This is the book which my grandfather bought for me.
「これは私の祖父が私に買ってくれた本です。」

つなぎ目になるために、同一の人(もの)は隣り合っていなければいけません。同一の部分が架け橋となって文と文をつないでいるので離れた状態では成り立ちません。
今回のように、もしも代名詞が文頭にない場合は、代名詞をその文の文頭に出しましょう。

代名詞itをmyの前に置けば、同一部分であるthe bookと隣り合うことになり文をつなげる状態になるというわけです。

実は公立高校入試でも問われる目的格の関係代名詞は必ずこの手順で1文にしていく必要があります。気をつけましょう。

ちなみに目的格の関係代名詞は省略ができます

This is the book which my grandfather bought for me.
↓目的格の関係代名詞は省略できる
This is the book my grandfather bought for me.

省略された方の文を見ると、後ろの文が前の名詞を修飾している形に見えますね。むしろこの形の方が長文や文のならべかえなどで出題される可能性もあるので十分注意してください。

先行詞の候補が2つある場合は、詳しくない方を選ぶ

問題 次の2つの文を関係代名詞を使って1文にまとめなさい。
The girl is Shiori.
She is walking with her dog over there.

続いての問題です。
同じ手順で進めていくといきなりカベにぶつかるのがこのパターンです。
Sheと同一になる候補The girl、Shioriと2つありますね。同一だからといってどちらでもいいというわけにはいきません。

同一にする候補が2つある場合はより詳しくない方を選ぶようにします。
具体的でない方漠然としている方を選びます!

問題の2語を使って考えていきましょう。
girlとShiori、どちらが詳しくないかわかりますか?
名前や姿かたちもわからないgirlに対して、Shioriという名前が分かっている分、Shioriの方がより具体的でくわしくなっていますね。
したがって、くわしくないgirlをsheと同一と考えてつなぎ目にしましょう。

1 The giriもShioriも2文目のSheと同一→先行詞の候補が2つあるパターン
The girl is Shiori.
She is walking with her dog over there.

2 先行詞の候補が2つあるときは詳しくない方を選ぶ
→The girlの方がShioriよりも情報が少なく、詳しくないのでThe girlを同一部分とする

さあ、一難去ってまた一難。
この場合、同一の部分をどうやって一文にしていくか説明していきます。

1 同一部分が隣り合わせになることを最優先にして、2文を1文にする
The girl is Shiori. She is walking with her dog over there.

2 1文目に割り込む形で2文目がつながる。その結果、1文目はバラバラになる。
The girl she is walking with her dog over there is Shiori.

3 代名詞sheをふさわしい関係代名詞に変えて完成→who
The girl who is walking with her dog over there is Shiori.
(向こうで犬と歩いている少女はシオリです。)

 

先ほどまでの問題と異なるのは、1つ目の文の文頭(主語)が同一部分になっている点です。しかし迷うことはありません。先ほどと同じく「同一部分を隣り合わせ」というルールを守ってつなげていきます。隣り合わせにするためにThe girlの直後にShe is walking with her dog over there.を割り込ませます

割り込みが発生したため、The girl is Shiori. という文が離ればなれになってしまいましたが、これでいいのです!

なぜ詳しくない方を候補として選ぶのかについて簡単に触れておくと、候補にするべき語は採取的には関係代名詞によって詳しく説明されます。ですので、ある程度、説明不足の語でないと訳したときに非常に違和感のある文になってしまうのです。

ためしに例文の先行詞をThe girlではなくShiroiで文を作ってみましょう。
The girl is Shiori who is walking with her dog over there.

はい、これを訳すとどうなりますか?
関係代名詞の文がシオリを詳しくするように訳すので「その少女は向こうで犬と歩いているシオリです。」となりますね。

???

何が言いたいかさっぱりですよね(汗)
いいですか、先行詞にするのはまだ詳しくなっていない方ですよ!

まとめます

今日のポイントはなんといってもこちらでしょう。

関係代名詞を使って2文を1文にする手順
1 同一の部分を見つける
2 同一の部分をつなぎ目にする
3 代名詞を関係代名詞にチェンジする→先行詞が人か人以外か+代名詞が何格か

さあ、関係代名詞について理解できたなら善は急げ。手持ちの問題集から2文を1文にする問題を探してチャレンジしてみてください。

この記事を書いた人

加藤 正和
足柄駅前教室責任者/文系科目担当/時事モンGOの中の人

・「熱しにくく、冷めにくい。」一度火が付いたら止まらない性格。
・「書けそうで書けない絶妙なポジションの漢字」を探すのに夢中。

ユーミンとサザンとミスチルと中島みゆきとももクロをこよなく愛しております。でも最近のヘビロテはヒゲダンです♪
ビールと日本酒をこよなく愛しております。
したがって、カラオケと居酒屋をこよなく愛しております。

めったにブログ書きませんが
筆無精の「全力」をご覧ください。